夏目漱石「こころ」3-107

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夏目漱石「こころ」3-107
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
11:閃めき(ひらめき)
15:疑って(うたぐって)
22:鞭たれたい(むちうたれたい)
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問題文

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(さいはあるとき、)

妻はある時、

(おとこのこころとおんなのこころとはどうしてもぴたりとひとつになれないものだろうか)

男の心と女の心とはどうしてもぴたりと一つになれないものだろうか

(といいました。)

と云いました。

(わたくしはただわかいときならなれるだろうとあいまいなへんじをしておきました。)

私はただ若い時ならなれるだろうと曖昧な返事をして置きました。

(さいはかこをふりかえってながめているようでしたが、)

妻は過去を振り返って眺めているようでしたが、

(やがてかすかなためいきをもらしました。)

やがて微かな溜息を洩らしました。

(わたくしのむねにはそのじぶんからときどきおそろしいかげがひらめきました。)

私の胸にはその時分から時々恐ろしい影が閃めきました。

(はじめはそれがぐうぜんそとからおそってくるのです。)

初めはそれが偶然外から襲って来るのです。

(わたくしはおどろきました。わたくしはぞっとしました。)

私は驚ろきました。私はぞっとしました。

(しかししばらくしているうちに、)

然ししばらくしている中に、

(わたくしのこころがそのものすごいひらめきにおうずるようになりました。)

私の心がその物凄い閃めきに応ずるようになりました。

(しまいにはそとからこないでも、)

しまいには外から来ないでも、

(じぶんのむねのそこにうまれたときからひそんでいるもののごとくにおもわれだしてきたのです。)

自分の胸の底に生れた時から潜んでいるものの如くに思われ出して来たのです。

(わたくしはそうしたこころもちになるたびに、)

私はそうした心持になるたびに、

(じぶんのあたまがどうかしたのではなかろうかとうたぐってみました。)

自分の頭がどうかしたのではなかろうかと疑って見ました。

(けれどもわたくしはいしゃにもだれにもみてもらうきにはなれませんでした。)

けれども私は医者にも誰にも診て貰う気にはなれませんでした。

(わたくしはただにんげんのつみというものをふかくかんじたのです。)

私はただ人間の罪というものを深く感じたのです。

(そのかんじがわたくしをけいのはかへまいげついかせます。)

その感じが私をKの墓へ毎月行かせます。

(そのかんじがわたくしにさいのははのかんごをさせます。)

その感じが私に妻の母の看護をさせます。

(そうしてそのかんじがさいにやさしくしてやれとわたくしにめいじます。)

そうしてその感じが妻に優しくして遣れと私に命じます。

など

(わたくしはそのかんじのために、)

私はその感じのために、

(しらないろぼうのひとからむちうたれたいとまでおもったこともあります。)

知らない路傍の人から鞭たれたいとまで思った事もあります。

(こうしたかいだんをだんだんけいかしていくうちに、ひとにむちうたれるよりも、)

こうした階段を段々経過して行くうちに、人に鞭たれるよりも、

(じぶんでじぶんをむちうつべきだというきになります。)

自分で自分を鞭つ可きだという気になります。

(じぶんでじぶんをむちうつよりも、じぶんでじぶんをころすべきだというかんがえがおこります。)

自分で自分を鞭つよりも、自分で自分を殺すべきだという考が起ります。

(わたくしはしかたがないから、しんだきでいきていこうとけっしんしました。)

私は仕方がないから、死んだ気で生きて行こうと決心しました。

(わたくしがそうけっしんしてからこんにちまでなんねんになるでしょう。)

私がそう決心してから今日まで何年になるでしょう。

(わたくしとさいとはもとのとおりなかよくくらしてきました。)

私と妻とは元の通り仲好く暮して来ました。

(わたくしとさいとはけっしてふこうではありません、こうふくでした。)

私と妻とは決して不幸ではありません、幸福でした。

(しかしわたくしのもっているいってん、わたくしにとってはよういならんこのいってんが、)

然し私の有っている一点、私に取っては容易ならんこの一点が、

(さいにはつねにあんこくにみえたらしいのです。)

妻には常に暗黒に見えたらしいのです。

(それをおもうと、わたくしはさいにたいしてひじょうにきのどくなきがします。)

それを思うと、私は妻に対して非常に気の毒な気がします。

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