【意味怖】声 *概要欄に解説
語り手は盲目の女性。
コーヒーカップの場所に拘っているのも
見えないから、定位置にないと探すのが
大変だから。
そして、風邪をひく前とひいた後の男は別人。
目が見えないので、入れ替わっていることに
気付かなかった。
熱を測ったときに、語り手の女性は自分で
見ないで相手に聞いたところや、
「おかゆを作る」と言ったときに危ないと
言ったのも、語り手が盲目であることから。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ミイリク | 6375 | S | 6.5 | 96.9% | 214.4 | 1411 | 44 | 52 | 2024/09/20 |
2 | ねこ🐾 | 5902 | A+ | 6.2 | 94.9% | 224.3 | 1398 | 74 | 52 | 2024/10/29 |
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問題文
(かれのこえがすきだった)
彼の声が好きだった。
(とうめいかんがあってむねのおくがあたたかくなるようなそんなきれいなこえ)
透明感があって、胸の奥が温かくなるような、そんな綺麗な声。
(だからかれからぷろぽーずされたときはうれしかった)
だから、彼からプロポーズされた時は、嬉しかった。
(わたしにはことわるりゆうがなかった)
私には断る理由がなかった。
(こーひーいれてくれ)
「コーヒー、淹れてくれ。」
(うんあれこーひーかっぷどこここにおいてっていったよね)
「うん、あれ?コーヒーカップ、どこ?ここに置いてって言ったよね?」
(ああーはいはいこーひーかっぷここ)
「・・・あ?あー、はいはい。コーヒーカップ、ここ。」
(ねえおねがいこういうことはまもってって)
「ねえ、お願い。こういうことは守ってって・・・。」
(うるせーなわかったってほんとうおまえめんどうくせえよ)
「うるせーな!わかったって!本当、お前面倒くせえよ!」
(だってしかたないじゃない)
「・・・だって、仕方ないじゃない。」
(もういいよじぶんでいれるから)
「もういいよ!自分で淹れるから!」
(けっこんしてからすうねん)
結婚してから数年。
(わたしたちのなかはすれちがいばかりでひえきってしまった)
私たちの仲はすれ違いばかりで、冷え切ってしまった。
(かれのこえもいまではこわいとかんじるようになった)
彼の声も、今では怖いと感じるようになった。
(またどなられるのだろうか)
また、怒鳴られるのだろうか。
(そうかんがえるとくちごたえをしないほうがいいのかなっておもうけど)
そう考えると、口ごたえをしないほうがいいのかなって思うけど・・・。
(でもわたしがせいかつできなくなるのでそれはできない)
でも、私が生活できなくなるので、それはできない。
(わたしはいつしかかれがかえってくるのがこわいとかんじるようになった)
私はいつしか、彼が帰ってくるのが怖いと感じるようになった。
(そんなあるひのこと)
そんなある日のこと。
(かれがかぜをひいた)
彼が風邪を引いた。
(のどをいためてしゃべるのもつらそうだ)
喉を痛めて、喋るのも辛そうだ。
(もうねる)
「・・・もう、寝る。」
(ねつはあるのはかってみて)
「熱はあるの?測ってみて。」
(うん)
「・・・うん」
(どう)
「どう?」
(38ど)
「38度。」
(すごくたかいじゃないねえしょくよくある?おかゆつくろうか)
「すごく高いじゃない。・・・ねえ食欲ある?おかゆ作ろうか?」
(いいよあぶないし)
「いいよ、危ないし。」
(なにいってるのいつもりょうりしてるじゃない)
「何言ってるの、いつも料理してるじゃない。」
(かれはしばらくねこんだ)
彼はしばらく寝込んだ。
(びょういんにはかたくなにいこうとしなかった)
病院には頑なに行こうとしなかった。
(いえであんせいにしててもなおるのに1しゅうかんかかった)
家で安静にしてても治るのに1週間かかった。
(そして)
-そして。
(あーあー)
「あーあー・・・」
(こえなおらないね)
「声・・・治らないね。」
(ごめん)
「・・・ごめん。」
(なんであなたがあやまるのよ)
「なんで、あなたが謝るのよ。」
(たしかにかれのこえがすきだった)
確かに、彼の声が好きだった。
(そのこえがかわってしまったことはちょっとだけさびしい)
その声が変わってしまったことは、ちょっとだけ寂しい。
(でも)
でも・・・。
(はいこーひー)
「はい、コーヒー。」
(ありがとう)
「ありがとう。」
(うふふ)
「うふふ。」
(なに)
「なに?」
(こーひーかっぷいったところにしまってくれたのねありがとう)
「コーヒーカップ、言ったところにしまってくれたのね、ありがとう。」
(えふつうのことじゃないの)
「え?普通のことじゃないの?」
(かぜになってからかれはかわった)
風邪になってから、彼は変わった。
(ういるすといっしょにどくがきえたみたい)
ウイルスと一緒に、毒が消えたみたい。
(くちかずがへってこえはひくくかれたようになったけど)
口数が減って、声は低く枯れたようになったけど。
(わたしはいまのかれのこえのほうがすき)
私は今の彼の声のほうが好き。
(いまはかれのこえだけじゃなくてかれじしんがすきってむねをはっていえる)
今は、彼の声だけじゃなくて、彼自身が好きって胸を張って言える。
(ふふっいまはとってもしあわせよ)
ふふっ、今はとっても幸せよ。