呪怨②
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問題文
(ふとさちえがしゃべるこえをきいたりかがおくのまにいくと、)
ふと幸枝が喋る声を聞いた理佳が奥の間に行くと、
(さちえはちゅうにむけていみのないことをしゃべっていました。)
幸枝は宙に向けて意味のないことを喋っていました。
(ふとんによこたわらせたさちえがてんじょうをみてひめいをあげ、りかは)
布団に横たわらせた幸枝が天井を見て悲鳴を上げ、理佳は
(さちえのうえにのしかかるくろいかげのじょせい・かやこをみます。)
幸枝の上にのしかかる黒い影の女性・伽椰子を見ます。
(くろいかおにしろめだけがめだつおんながりかをぎょうしし、りかは)
黒い顔に白目だけが目立つ女が理佳を凝視し、理佳は
(きょうふのあまりしっしんしました・・・。)
恐怖のあまり失神しました…。
(すうじつご、りかとれんらくがとれなくなってしんぱいしたふくし)
数日後、理佳と連絡が取れなくなって心配した福祉
(せんたーのじょうしがとくながけをほうもんし、おくのまでいきたえた)
センターの上司が徳永家を訪問し、奥の間で息絶えた
(さちえとほうしんじょうたいのりかをはっけんします。)
幸枝と放心状態の理佳を発見します。
(じょうしはけいさつにつうほうしましたが、そのじょうしはよるにしょくばの)
上司は警察に通報しましたが、その上司は夜に職場の
(きゅうとうしつでいたいとなりはっけんされます。けいさつのげんばけんしょうで、)
給湯室で遺体となり発見されます。警察の現場検証で、
(なかがわけいじがとくながかつやのけいたいでんわにかけたところ、てんじょう)
中川刑事が徳永勝也の携帯電話にかけたところ、天井
(うらからちゃくしんおんがきこえます。てんじょううらをかくにんすると、とくなが)
裏から着信音が聞こえます。天井裏を確認すると、徳永
(ふさい・かつやとかずみが2りともいたいではっけんされました。)
夫妻・勝也と和美が2人とも遺体で発見されました。
(じつはこのいえは5ねんまえに、あるさつじんじけんがおきたいえでした。)
実はこの家は5年前に、ある殺人事件が起きた家でした。
(とうじすんでいたさえきたけおがつま・かやこのぜんしんを)
当時住んでいた佐伯剛雄が妻・伽椰子の全身を
(かったーできりきざんでさつがいしたのです。たけおはその)
カッターで切り刻んで殺害したのです。剛雄はその
(すうじつごにろじょうでへんしし、とうじ6さいだったさえきふさいの)
数日後に路上で変死し、当時6歳だった佐伯夫妻の
(むすこ・としおはゆくえふめいのままです。それいらい、この)
息子・俊雄は行方不明のままです。それ以来、この
(いえにすんだじゅうにんと、いえにあしをふみいれたものは、)
家に住んだ住人と、家に足を踏み入れた者は、
(ことごとくかいししたりしっそうしたりしていました。)
ことごとく怪死したり失踪したりしていました。
(こんかいのとくながふさいもそうでした。とくながかつやはいえをこうにゅう)
今回の徳永夫妻もそうでした。徳永勝也は家を購入
(し、つま・かずみとかつやのはは・さちえとくらしはじめます。)
し、妻・和美と勝也の母・幸枝と暮らし始めます。
(にんちしょうのけがあるはは・さちえをしんぱいし、かつやのいもうとの)
認知症の気がある母・幸枝を心配し、勝也の妹の
(ひとみもときどきいえをのぞきにきていました。あるひ、)
仁美も時々家を覗きに来ていました。ある日、
(つま・かずみはおっと・かつやがしゅっきんしたあと、いまでひるまに)
妻・和美は夫・勝也が出勤した後、居間で昼間に
(うたたねをしていました。しんきょにひっこしてから、いつも)
うたたねをしていました。新居に引っ越してから、いつも
(よなかにものおとがして、かずみはすいみんぶそくでした。よなかに)
夜中に物音がして、和美は睡眠不足でした。夜中に
(ものおとがしてあさになるとへやがちらかっているのは、にんちしょう)
物音がして朝になると部屋が散らかっているのは、認知症
(のぎぼ・さちえのせいだとかずみはおもっていました。ものおとで)
の義母・幸枝のせいだと和美は思っていました。物音で
(うたたねからめがさめたかずみはべつのへやでものおとがして)
うたたねから目が覚めた和美は別の部屋で物音がして
(ぎぼ・さちえによびかけますが、さちえとはべつのほうこうから)
義母・幸枝に呼びかけますが、幸枝とは別の方向から
(ものおとがします。かずみはきづきませんが、おとがしたへやの)
物音がします。和美は気づきませんが、音がした部屋の
(とびらには、こどものてのあとがのこっていました。かずみは)
扉には、子どもの手の痕が残っていました。和美は
(かいだんをのぼるくろねこをみて、かいだんをのぼりかけます。)
階段をのぼる黒猫を見て、階段をのぼりかけます。
(かいだんをあがったさきにいるねこを、よこからだれかしろいてが)
階段をあがった先にいる猫を、横から誰か白い手が
(のびてさらいました。かずみはおもわずこえをあげます。)
伸びてさらいました。和美は思わず声をあげます。
(2かいへあがったかずみは、しろいこどものあしをみてきぜつ)
2階へあがった和美は、白い子どもの足を見て気絶
(しました・・・。よるにきたくしたかつやは、2かいのしんしつで)
しました…。夜に帰宅した勝也は、2階の寝室で
(つま・かずみがめをあいたままほうしんじょうたいでべっどにたおれて)
妻・和美が目を開いたまま放心状態でベッドに倒れて
(いるのをはっけんし、けいたいでんわできゅうきゅうしゃをよぼうとします。)
いるのを発見し、携帯電話で救急車を呼ぼうとします。
(そのときうしろでちいさなしろいしょうねんがとおるけはいがし、ふりかえる)
その時後ろで小さな白い少年が通る気配がし、振り返る
(とぜんしんがしろくてぶりーふすがたのしょうねんが、かずみをのぞき)
と全身が白くてブリーフ姿の少年が、和美をのぞき
(こんでいるのをみました。おしいれがばんというおとを)
こんでいるのを見ました。押し入れがバンという音を
(たてると、かずみが「あ”」というこえをだしていきたえ)
立てると、和美が「あ”」という声を出して息絶え
(かつやにはさえきたけおのいしきがのりうつりました。)
勝也には佐伯剛雄の意識が乗り移りました。