anjir

(がんちゅうのどんてんに)

眼中の曇天に

(うつむきかげんでひとはいく)

俯き加減で人は往く

(きぼうやせんぼうのいわとは)

希望や羨望の岩戸は

(まだひらきはしない)

まだ開きはしない

(なりやまぬかねが)

鳴り止まぬ鐘が

(こうさくするへいこうせんじょうに)

交錯する平行線上に

(みちをふみはずした)

道を踏み外した

(あかごがまたははをもとむ)

赤子がまた母を求む

(うぶごえひびけ)

産声　響け

(ひびけははのもとへ)

響け　母の元へ

(いとおしさを)

愛おしさを

(もとめもとめくずれされ)

求め　求め　崩れ去れ

(いちじくのはながさいた)

無花果の花が咲いた

(おしえてかみさまどうして)

教えて神様どうして

(かなしいとひとはなぜ)

悲しいと　人は何故

(むやみにわらうの？)

無闇に笑うの？

(さんぜんせかいななふしぎ)

三千世界　七不思議

(このよはきっとがらんどう)

この世はきっと　伽藍堂

(うらみつらみ)

怨み辛み

(なんかすておいておけ)

なんか捨て置いておけ

(うまれおちたたいどうは)

産まれ落ちた胎動は

(おかしたせかいじく)

犯した世界軸

(ぜんせかいをおそった)

全世界を襲った

(まじりっけなしのあおぞらに)

混じりっ気無しの青空に

(みうしなうことば)

見失う言葉

(されどわたしはしにんとおどる)

されど私は死人と踊る

(くりかえされるかいわ)

繰り返される会話

(もとめこたえくちいく)

求め　答え　朽ち逝く

(はんぴれいのじんせい)

反比例の人生

(しぬことはないわ)

死ぬことは無いわ

(はすのかべんがちにおちた)

蓮の花弁が地に落ちた

(おしえてかみさまわたしは)

教えて神様　私は

(りんじんがなくとなぜ)

隣人が　泣くと何故

(えがおになれるの？)

笑顔になれるの？

(ごくらくれんげななびかり)

極楽蓮華　七光り

(あのよはきっととうげんきょう)

あの世はきっと　桃源郷

(ねたみそねみ)

妬み嫉み

(なんかはきすてておけ)

なんか吐き捨てておけ

(うまれついたたいどうは)

産まれついた胎動は

(だれかのせかいじく)

誰かの世界軸

(ひとがあるいたみちのはかなさよ)

人が歩いた道の儚さよ

(せいがのぞんだみちのころびかたよ)

生が望んだ道の転び方よ

(しにたくてしにたくて)

死にたくて　死にたくて

(しなせたくなくて)

死なせたくなくて

(くびにゆびからめた)

首に指　絡めた

(いしきがはんきょうしてはむかしのゆめをおもいだす)

意識が反響しては昔の夢を思い出す

(いきたくて)

生きたくて

(いきてくて)

生きてくて

(うそにまみれて)

嘘に塗れて

(しぬのがいやなわけでも)

死ぬのが嫌な訳でも

(しぬのがこわいわけじゃない)

死ぬのが怖い訳じゃない

(いきるのがこわいだけだから)

生きるのが怖いだけだから

(いちじくのみがはじける)

無花果の実が弾ける

(おしえてあげようかみさま)

教えてあげよう神様

(ひとさまのしにざまが)

人様の　死に様が

(いきてるってことさ)

生きてるって事さ

(いんようたいきょくけりとばし)

陰陽太極　蹴りとばし

(なゆたはきっとかいししんろう)

那由多はきっと　海市蜃楼

(うまれたことにかんしゃをして)

生まれた事に感謝をして

(きれいにみのるいちじくを)

綺麗に実る無花果を

(わらってたおるせかいじく)

笑って手折る世界軸