機拐島/赤坂んんん

(ながれついてきたんだね)

流れ着いてきたんだね。

(すてられうみをただよって)

捨てられ海を漂って。

(いまはまだなんにもしらなくてもいいよ)

今はまだ、なんにも知らなくてもいいよ。

(ここのひとはあぶないかれらにみつからないように)

島の人は危ない。彼らに見つからないように、

(あのひとたちのしらないことばではなそう)

あの人たちの知らない言葉で話そう。

(どうしてここにいるの)

どうしてここにいるの？

(いままでなにをしていたの)

いままでなにをしていたの？

(しらないことなぜなにもっと)

知らないこと・なぜ？・なに？・もっと

(きかせてほしい)

きかせてほしい。

(すきないろすきなばしょ)

好きな色？好きな場所？

(あてどなくうみなどみながら)

あてどなく海など見ながら、

(あのひとたちのしらないことばではなす)

あの人たちの知らない言葉で話す。

(かつてのことわすれて)

日常のこと忘れて

(うまれかわりたくはないので)

生まれ変わりたくはないので、

(かくれつづけるうみのみえるいわかげで)

隠れ続ける。海の見える岩陰で。

(ただただただただずっと)

ただただただただずっと。

(にんげんなどきらいになれるのならまよわないのに)

人間など嫌いになれるのなら迷わないのに。

(しこまれたほんのうわすれるまでそばにいよう)

仕込まれた本能、忘れるまでそばにいよう。

(いつまででもひがくれても)

いつまででも。日が暮れても。

(きかいなしまにとじこめられてどこにもいけない)

奇怪な島に閉じ込められてどこにもいけない。

(ここはただただただしんだときがながれる)

ここはただただただ死んだ時が流れる。

(きみのすきなばしょあてどなくみながら)

君の好きな場所？あてどなく 見ながら、

(あのひとたちのしらないことばではなす)

あの人たちの知らない言葉で話す。

(かつてのことわすれて)

日常のこと忘れて

(うまれかわりたくはないので)

生まれ変わりたくはないので、

(かえりたいのだうみのむこうゆびさして)

帰りたいのだ。海の向こうゆびさして。

(ただただただただずっと)

ただただただただずっと。

(しんぞうなどなげすてたいから)

心臓など投げ捨てたいから

(いますぐすてさせて)

今すぐ捨てさせて。

(ほんもののこころきづいたからそばにいて)

本物の心、気づいたからそばにいて。

(いつまででもよるがあけても)

いつまででも。夜が明けても。

(わたしのことわすれて)

私のこと忘れて。

(ぜんぶぜんぶぜんぶわすれてしまえるのなら)

ぜんぶぜんぶぜんぶ忘れてしまえるのなら

(らくになれるきもするよ)

楽になれる気もするよ。

(でもでもでもでもずっと)

でもでもでもでもずっと、

(ふたりのことわすれて)

二人のこと忘れて

(うまれかわりたくはないので)

生まれ変わりたくはないので、

(あのひとたちのしらないことばではなしてよう)

あの人たちの知らない言葉で話してよう。

(いつまででもきみがこわれるまで)

いつまででも。君が壊れるまで。