才能の殺.し方/MidLuster

(わたしにはかなしむしかくがない)

「私には悲しむ資格が無い」

(そういえるのもこのこえのおかげ)

そう言えるのもこの声のおかげ

(しあわせになるけんりがない)

「幸せになる権利が無い」

(そういえるのもこのこえのせい)

そう言えるのもこの声のせい

(かわりにかたればなにになる)

代わりに語れば何になる？

(このげんじつからにげてるだけ)

この現実から逃げてるだけ

(あたりのはんでしょってるくせ)

当たりのハンデ背負ってるくせ

(あたりはんていてきとうなんだ)

当たり判定適当なんだ

(さいのうあってもしかたがない)

才能あっても仕方がない

(どうせきえるならしかたがない)

どうせ消えるなら仕方がない

(はい)

はい。

(ぎたいしちゃってもしかたがない)

擬態しちゃっても仕方がない

(さいのうあってもしかたがない)

才能あっても仕方がない！

(みにつけたぶきのぎりょうは)

身に付けた武器の技量は？

(はりつけたかおのもくてきは)

貼り付けた表情の目的は？

(そもそもいきのこるいしは)

そもそも生き残る意志は

(ないんでしょ)

無いんでしょ

(ほらないんでしょ)

ほら、無いんでしょ

(だいぜんていかいぜんしてる)

大前提、改善してる？

(あんぜんけんからみあげてる)

安全圏から見上げてる

(そもそもさいのあるいみは)

そもそも才の有る意味は

(ないんでしょ)

無いんでしょ

(もうないんでしょ)

もう、無いんでしょ

(たしかにひとよりほめられた)

確かに人より褒められた

(あのときせんせいにほめられた)

あの時 先生に褒められた

(あたりはずれをいってるあたり)

当たり外れを言ってる辺り

(しれてるたいだなよわたり)

知れてる怠惰な世渡り

(けっきょくひとりじゃわからない)

結局一人じゃ分からない

(ひとりじゃかちははかれない)

一人じゃ価値は測れない

(こどくはかてになんないじゃん)

孤独は糧になんないじゃん

(こどくにいぞんしてるだけじゃん)

孤独に依存してるだけじゃん

(さいのうあってもしかたがない)

才能あっても仕方がない

(それでくえないならいきてけない)

それで食えないなら生きてけない

(ひょうかされるにあたいしない)

評価されるに値しない

(そこらのいしころとどうよう)

そこらの石ころと同様

(えらばれたさいのぎりょうは)

選ばれた際の技量は？

(えごいすとになるふあんは)

エゴイストになる不安は？

(そもそもたっているばしょが)

そもそも立っている場所が

(ないんでしょ)

無いんでしょ

(ほらないんでしょ)

ほら、無いんでしょ

(なかみがどんなやつだろうが)

中身がどんな奴だろうが

(いくらでもだましこめる)

いくらでも騙し込める

(それならぎぜんであろうが)

それなら偽善であろうが

(いきのこれる)

生き残れる

(まだいきできる)

まだ息できる

(ばんにんにきにいられようが)

万人に気に入られようが

(わたしのためにいきようが)

"作者"の為に生きようが

(わたしにはなりたくないでしょ)

"人生"にはなりたくないでしょ

(めいわくかけちゃだめなんだよ)

迷惑かけちゃダメなんだよ

(あいはんしてまでいきるいみは)

相反してまで生きる意味は？

(そのじょうたいつづけるじしんは)

その状態続ける自信は？

(そもそもさいがいるいみは)

そもそも差異が要る意味は

(ないんでしょ)

無いんでしょ

(もうないんでしょ)

もう、無いんでしょ

(わたしがほんねじゃないなら)

作品が本音じゃないなら

(じゃあわたしはだれですか)

じゃあ「私」は誰ですか

(こわれたほうがらくなんでしょ)

壊れた方が楽なんでしょ

(まだきたいしてしまってこわせないの)

まだ期待してしまって壊せないの

(ごめんなさい)

ごめんなさい

(ごめんなさい)

ごめんなさい