墓標
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歌詞(問題文)
(ららら)
ラララ…
(もうそこにはだれもいはしない)
もう、そこには誰もいはしない。
(だからもうそこにはきみもいやしない)
だから、もう、そこには君もいやしない。
(そこにただあるのは)
そこに只、在るのは。
(にどとせいをきざむことのないむくろ)
二度と生を刻むことの無い骸。
(くびとからだとははなればなれ)
首と躯とは離れ離れ。
(まぼろしにしずむかたわらはりつけに)
幸福に沈む、傍ら、磔に。
(そしてぼくといえば)
そして、僕といえば、
(にどとちをふむことさえないかばね)
二度と地を踏むことさえない屍。
(あしをふみいれたほうらいのちに)
足を踏み入れた蓬莱の地に、
(ぼくらのらくえんをゆめみたのに)
僕らの楽園を夢見たのに
(ああぼくらはなにもしらなかったんだ)
ああ僕らは何も知らなかったんだ
(なにもかもがうそつきの)
何もかもが嘘つきの
(こんなせかいがあることも)
こんな幻想郷があることも
(ああなにをたがえてしまったのか)
ああ何を違えてしまったのか
(ぼくらはきっとなかよく)
僕らはきっと仲良く
(いきていけるはずだったのに)
生きていける筈だったのに
(せめてきみがいさえすれば)
せめて、君がいさえすれば…
(そんなおもいがむねをかすめてはきえた)
そんな思いが、胸を掠めては、消えた。
(こんなおそろしいところには)
こんな恐ろしいところには、
(もはやひとときたりとてもいられない)
もはや、一刻たりとてもいられない。
(そうしてそのあしを)
そうしてその足を
(みずからしちにおいやるおろかもの)
自ら死地に追いやる愚か者。
(もっともあんぜんないきかたとは)
もっとも安全な方法とは。
(つねにじぶんのてににぎりおくもので)
常に自分の手に握り置くもので。
(けしてりかいのできぬ)
けして理解のできぬ、
(せかいにふれてなどしてはならない)
世界に触れてなどしてはならない。
(なんてあくしゅみなにんぎょうあそび。)
なんて悪趣味な人形戯曲。
(だれもまともではいられなかったか)
誰も人間ではいられなかったか
(ああかれらはかくもおろかだったのだ)
ああ彼らは かくも愚かだったのだ
(くらやみのむこうがわで)
暗闇の向こう側で
(なぞのぴえろがわらっている)
謎のピエロが嗤っている
(ああぼくこそさいごのしょうしゃなのだ)
ああボクこそ 最後の勝者なのだ
(おろかものどものまつろを)
愚か者共の末路を
(そのせいぎのあかしとして)
その正義の証として
(そしてだれもいなくなるまえに)
そして誰もいなくなる前に
(これはこころのおくにきざみこむ)
これは心の最奥に刻み込む、
(ぼひょう)
墓標。
(うたがいもせずてにとるむくい)
疑いもせず手に取る報い
(こうきしんこそさいだいのてきよ)
好奇心こそ最大の敵よ
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(ひとりよあるきしのびよるかげは)
一人夜歩き忍び寄る影は
(おさなさゆえきづけずにいたか)
幼さゆえ気づけずにいたか
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(あがくことさえためせぬほどに)
足掻くことさえ試せぬほどに
(さとさとはおろかさとどうぎか)
聡さとは愚かさと同義か
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(こいのにがさといのちのあまさ)
恋の苦さと命の甘さ
(おとなのあじはゆだんたいてき)
大人の味は油断大敵
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(ひとよかぎりのうしのこくまいり)
一夜限りの 丑の刻参り
(けいかいなどいみのないせかい)
警戒など意味のない世界
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(さいごにしてはそしょくにすぎたか)
最期にしては 粗食にすぎたか
(はやおきにしてろくもんのとく)
早起きにして六文の得
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(しょうじきものがばかをみるのだ)
正直者が 馬鹿を見るのだ
(おくびょうものにすすむみちなし)
臆病者に進む道なし
(そうきざまれるべきだひとりひとり)
そう、刻まれるべきだ一人一人
(ああなにをたがえてしまったのか)
ああ何を 違えてしまったのか
(ぼくらはきっとなかよく)
僕らはきっと仲良く
(いきていけるはずだったのに)
生きていける筈だったのに
(ああせめてきみがいてくれたなら)
ああせめて 君がいてくれたなら
(さいごのしょうじきものを)
最後の正直者を
(しんじられたかもしれないな)
信じられたかもしれないな
(などとばかめが)
などと馬鹿めが!
(よまいごとにしずめ)
世迷いごとに沈め!
(しょうじきものがばかをみる)
正直者が馬鹿を見る
(そんなせかいのるーるなら)
そんな世界の理なら
(ああぼくこそさいごのしょうしゃなのだ)
ああ!ボクこそ最後の勝者なのだ!
(そのしんじつをかみしめて)
その真実を噛み締めて
(いまらくえんをあとにして)
今楽園を後にして
(ぼひょうにきざんだかずだけ)
墓標に刻んだ数だけ
(むねにこみあげる)
胸に込み上げる
(しょうりのよいんにわらう。)
勝利の余韻に嗤う。