Ms. lonely hedgehog

(ああ、あたりいちめん)

ああ、辺り一面

(こんくりーととがれきのやま)

コンクリートとガレキの山

(どこかでみた)

どこかで見た

(せんすのわるいえいがのせっとのように)

センスの悪い映画のセットのように

(むちつじょきまって)

無秩序極まって

(ああ、あたりいちめん)

ああ、辺り一面

(ちらばっている)

散らばっている

(だれかのはへん)

≪名前も知らないクラスメート≫の破片

(もうにどとおきあがることも)

もう二度と起き上がることも

(なさそうで)

なさそうで

(ほんのすこしうらやましいきもする)

ほんの少し羨ましい気もする

(きこえるこわれかけの)

聞こえる壊れかけの

(らじおからはなんせんすな)

ラジオからはナンセンスな

(うたいもんくのかずかず)

謳い文句の数々

(もうきこえはしない)

もう聞こえはしない

(いらだちもない)

苛立ちも無い

(それらをきにすることさえもない)

それらを気にすることさえも無い

(でもそれこそほんとうは)

でもそれこそ本当は

(ただひとつしんりだったのかもとも)

唯一つ真理だったのかもとも

(ゆさぶられては)

揺さぶられては

(ただぼうぜんとかんがえている)

ただ呆然と考えている

(ゆめとうつつのはざまに、みをおいて。)

夢と夢の狭間に、身を置いて。

(ああ、ゆめをみている)

ああ、夢を見ている

(これはなんてあくしゅみなゆめ)

これはなんて悪趣味な夢

(どこかでわたしをあざわらう)

どこかで私を嘲笑う

(なにものかのこえがきこえてきさえする．)

何者かの声が聞こえて来さえする.

(ああ、ゆめならいいのに)

ああ、夢ならいいのに

(そんなおもいがのうりをかすめては)

そんな思いが脳裏を掠めては

(そんなめたなおもいを)

そんな俯瞰的な思いを

(いだくそのはしから)

抱くその端から

(めためたにたたきのめされて)

徹底的に叩きのめされて

(わたしはわらうより)

私は笑うより

(ほかになかった．)

ほかになかった.

(いくたのおもいにほんろうされて)

幾多の思いに翻弄されて

(もうなやみもしない)

もう　悩みもしない

(だらくもしないそれらに)

堕落もしないそれらに

(おびえるひつようもない)

怯える必要もない

(そのおそれのあるもの)

その　恐れのあるもの

(ひきおこすだろうもの)

引き起こすだろうもの

(すべてはこうしてきえたのだから)

全てはこうして消えたのだから

(こころのどこかかんがえている)

心のどこか考えている

(これらのもちえた、)

これらの持ちえた、

(そのかちについて。)

その価値について。

(もうだれもかもきずつけない。)

もう誰もかも傷つけない。

(そこにはひとりぼっちのはりねずみ。)

そこには一人ぼっちのハリネズミ。

(もうなにもいらない)

もう何も要らない

(なにももとめないゆめを)

何も求めない夢を

(あるくよりほかにはない)

歩くよりほかには無い

(でもわたしはどうしてかちのあるものを)

でも私はどうして価値のあるものを

(このせかいでこそ)

この世界でこそ

(えられなかったのか)

得られなかったのか

(がれきのやまでかんがえていた。)

ガレキの山で考えていた。

(わたしがしんにほっしていたものは、けれど)

私が真に欲していたものは、けれど

(”それら”のうえではきだしたって。)

"それら"の上で吐き出したって。

(もうこのおもいはつたわることはない。)

もうこの秘密は伝わる事はない。