『我が愛しき密室少女に寄せて』

(わたしはかんがえる。)

私は考える。

(わたしにゆるされないことも、)

私に許されないことも、

(たくさん、あるけれど。)

沢山、あるけれど。

(わたしがおもうこと。)

私が妄想うこと。

(これだけはけしてとめられはしないのだれにでも。)

これだけはけして止められはしないの誰にでも。

(きょうもまたのぞきみる。)

今日もまた　覗き見る。

(どこかものおもわしげなよこがお。)

どこかもの思わしげな横顔。

(そこに、)

そこに、

(おともたてずにやってくる。)

音もたてずにやってくる。

(けしてみださぬあのぎんいろのかみ)

けして乱さぬあの銀色の髪

(そしてはじまるふたりのじかんが・・・)

そして始まる二人の時間が・・・

(そっとてをかたに。)

「そっと手を肩に。

(すこしずつそのいちをかえては、)

少しずつその位置を変えては、

(そっといだかれて・・・)

そっと抱かれて・・・」

(ああそのみはたちばをこえて。)

ああその身は立場を越えて。

(もうだれもふたりをとめられないの！？)

もう誰も≪従者と客人≫をとめられないの!?

(ああ、われがいとしきまいでぃあ、ららら、らくとがーる。)

嗚呼、我が愛しき密室少女。

(こんなにもかんびなひびき。)

こんなにも甘美な響き。

(そのうちにどれほどの)

そのうちにどれほどの

(ろまんすをかかえているの・・・？)

秘密を抱えているの・・・?

(らららきょうも)

ラララ今日も

(わたしのせかいのあなたは)

私の世界のあなたは

(いくたのこいにかこまれる)

幾多の恋に囲まれる

(いろこいおおきみっしつしょうじょ。)

色恋多き密室少女。

(きょうもまたぬすみみる。)

今日もまた盗み見る。

(どこにもかわいげのないよこがお。)

どこにも可愛げのない横顔。

(そこに、)

そこに、

(せいじゃくをやぶってやってくる。)

静寂を破ってやってくる。

(かぜになびかせるあのきんいろのかみ)

風になびかせるあの金色の髪

(そしてはじまるふたりのじかんが・・・)

そして始まる二人の時間が・・・

(うばわれるしせん。)

「奪われる視線。

(すこしだけごういんなくらいがと)

少しだけ強引なくらいがと

(ぐっといだかれて・・・)

ぐっと抱かれて・・・」

(ああみつめあうふたりのまじょ！)

ああ見詰め合う二人の魔女!

(もうだれもふたりをとめられないの！？)

もう誰も≪後輩と先輩≫をとめられないの!?

(ああ、われがいとしきまいでぃあ、ららら、らくとがーる。)

嗚呼、我が愛しき密室少女。

(こんなにもゆうびなひびき。)

こんなにも優美な響き。

(そのうちにどれほどの)

そのうちにどれほどの

(ろまんすをひしているの・・・？)

秘密を秘しているの・・・?

(らららこうして)

ラララこうして

(わたしのせかいがまたすこし)

私の世界がまた少し

(あつくそしてあつくなる)

熱くそして厚くなる

(つみぶかきみっしつしょうじょ。)

罪深き密室少女。

(つよがっているようでも。)

「強がっているようでも。

(すこしずつくずされていくように。)

少しずつ崩されていくように。

(ずっといだかれて・・・)

ずっと抱かれて・・・」

(ああほんとうのしゅじゅうをおしえます！)

ああ本当の主従を教えます!

(もうだれもふたりをとめられないの！？)

もう誰も≪下僕と主人≫をとめられないの!?

(ああ、われがいとしきまいでぃあ、ららら、らくとがーる。)

嗚呼、我が愛しき密室少女。

(こんなにもきけんなひびき。)

こんなにも危険な響き。

(そのうちにどれほどの)

そのうちにどれほどの

(ろまんすをかくしているの・・・？)

秘密隠しているの・・・?

(かきつくすまで)

書き尽くすまで

(らくとがーるはおわらない)

妄想小説は終わらない

(ちしきとひかげのあるかぎり)

知識と日陰のある限り

(さあきょうもわれがいとしきみっしつしょうじょによせて！)

さあ今日も『我が愛しき密室少女に寄せて』！