奇跡

(こんやうまれてくるいのちとしんでしまういのち)

今夜生まれてくる命と　死んでしまう命

(そしてけんめいにかがやくいのちとむだにいきながらえるぼく)

そして懸命に輝く命と　無駄に生き長らえる僕

(「こんなよるはきえてしまいたい」とよくおもうけれど)

「こんな夜は消えてしまいたい」とよく思うけれど

(おまえなんかきえてしまえなんできょうまでいきてたんだ)

お前なんか消えてしまえ　何で今日まで生きてたんだ

(むだじゃないっておもいたくてここまでむりしてはしったんだ)

無駄じゃないって思いたくて　此処まで無理して走ったんだ

(このさきもそうするつもりだよそれもむだになったらどうしよう)

この先もそうするつもりだよ　それも無駄になったらどうしよう

(「こんなよるはきえてしまいたい」とよくおもうけれど)

「こんな夜は消えて　しまいたい」とよく思うけれど

(いまおわったらぜんぶがむだでなにかのこしたくていきる)

今終わったら全部が無駄で　何か残したくて生きる

(せいかいでもまちがいでもそれがわかるのはどうせみらいいまははしるだけ)

正解でも　間違いでも　それが分かるのはどうせ未来　今は走るだけ

(うまれたことがきせきだったらいきをするのもきせききせき)

生まれた事が　奇跡だったら　息をするのも　奇跡　奇跡

(ここでわらうかなきわめこうがどっちにしてもきせききせき)

ここで笑うか　泣き喚こうが　どっちにしても　奇跡　奇跡

(いろんなことがおこるものさながくいきりゃそれにともなって)

色んな事が起こるものさ　長く生きりゃそれに伴って

(うれしいことたのしかったこともちろんぎゃくもおなじかずだけ)

嬉しい事楽しかった事　もちろん逆も同じ数だけ

(「こんなはずじゃない」とおもうのはぼくらのごうまんで)

「こんなはずじゃない」と　思うのは僕らの傲慢で

(ひきがねになったできごとがかこにはむすうにそんざいする)

引き金になった出来事が　過去には無数に存在する

(それをいちいちくやんだっていまさらどうにもなりはしない)

それを一々悔やんだって　今更どうにもなりはしない

(かくしんはもっとふかいところぼくがうまれたゆえんにいたる)

核心はもっと深いところ　僕が生まれた所以に至る

(ちちとははのであいからもっといえばそのちすじから)

父と母の出会いから　もっと言えばその血筋から

(そしてさいごにいきつくばしょはうちゅうのはじまりそのかくりつ)

そして最後に行き着く場所は　宇宙の始まり　その確率

(あいしてますそのきもちはどっからやってきて)

愛してます　その気持ちは　どっからやって来て

(どこへきえるんだろうなぜきえるんだろう)

何処へ消えるんだろう　何故消えるんだろう

(あいされたのがきせきだったらあいしたこともきせききせき)

愛されたのが　奇跡だったら　愛した事も　奇跡　奇跡

(しあわせだったそれでよかったこうかいしないきせききせき)

幸せだった　それでよかった　後悔しない　奇跡　奇跡

(くちびるかみしめてじぶんのむりょくさになすすべもなくないたくやしさ)

唇噛み締めて自分の無力さになす術もなく　泣いた悔しさ

(からだはんぶんもってかれるようなわかれのいたみとそのさびしさ)

身体半分持ってかれるような　別れの痛みとその寂しさ

(それさえもきせきだといえたならおもえたなら)

それさえも奇跡だと言えたなら　思えたなら

(むかちなこともとくべつになるありのままできせきだから)

無価値な事も特別になる　ありのままで奇跡だから

(いきてることがきせきだったらつまずいたのもきせききせき)

生きてる事が　奇跡だったら　つまずいたのも　奇跡　奇跡

(あるきだすのもあきらめるのもすきにさせろよきせききせき)

歩き出すのも　諦めるのも　好きにさせろよ　奇跡　奇跡

(つまずいたのがきせきだったらこのもやもやもきせききせき)

つまずいたのが　奇跡だったら　このもやもやも　奇跡　奇跡

(たちむかうのもひきかえすのもぼくらのこたえきせききせき)

立ち向かうのも　引き返すのも　僕らの答え　奇跡　奇跡