黎明期

(とどくことがはたせなかったてがみがらくるいとなったそうだ)

届くことが果たせなかった手紙が　落涙となったそうだ

(したためたひあいだった)

したためた悲哀だった

(どれだけしたったとてこのてもどらないもんがきみをていぎしていたんだよ)

どれだけ慕ったとて　この手戻らないもんが君を定義していたんだよ

(わらえるよな)

笑えるよな

(がれきにたたずんでこくうをみつめているそうかここはこころだ)

瓦礫に佇んで　虚空を見つめている　そうかここは心だ

(そのうれいにきみのあすをだいなしにはさせないから)

その憂いに君の明日を　台無しにはさせないから

(ほしにねがいをかけるまいごかことかいこうとわいらいと)

星に願いをかける迷子　過去と邂逅　トワイライト

(きふるしたゆめだとかはきつぶしたかちかんは)

着古した夢だとか　履き潰した価値観は

(よいのくちにすておけいまこそきみのれいめいき)

宵の口に捨て置け　今こそ君の黎明期

(むかうみちはいつだってふたしかそれとおなじくらいにきたみちだけはたしか)

向かう道はいつだって不確か　それと同じくらいに来た道だけは確か

(それをよすがにしておもいあしひきずった)

それをよすがにして重い足引き摺った

(このせかいではいきつぎもままならないよな)

この世界では息継ぎもままならないよな

(おわりとはじまりのきざしをはおるみめいそうかきょうもいくのか)

終わりと始まりの　兆しを羽織る未明　そうか今日も行くのか

(そのうれいにきみのあすをだいなしにはさせないから)

その憂いに君の明日を　台無しにはさせないから

(すいもあまいもしるぷらいどうがつたいようとわいらいと)

酸いも甘いも知るプライド　穿つ太陽　トワイライト

(いいふるしたじょうとうくやききあきたはげましは)

言い古した常套句や　聞き飽きた励ましは

(よいのやみにすておけいまこそきみのれいめいき)

宵の闇に捨て置け　今こそ君の黎明期

(ふぞろいなかげがふたつわかたれたそれぞれのみちへ)

不揃いな影が二つ　分かたれたそれぞれの道へ

(かたやこうげんをもたずかたやひだねをもたず)

片や光源を持たず　片や火種を持たず

(しだいにとおくなってよふけにたがいにきづく)

次第に遠くなって　夜更けに互いに気付く

(いっついであるからこそあるけたこれまでのこと)

一対であるからこそ　歩けたこれまでの事

(ここだよここだよひっしになってさけんで)

ここだよ　ここだよ　必死になって叫んで

(しょうきにもどったそうかここはこころだ)

正気に戻った　そうかここは心だ

(そのうれいにきみのあすをだいなしにはさせないから)

その憂いに君の明日を　台無しにはさせないから

(ここがはいらいとこれでさいごよあけまえのとわいらいと)

ここがハイライト　これで最後　夜明け前のトワイライト

(どんなじょうじゅにだってねがいはふかけつなひだね)

どんな成就にだって　願いは不可欠な火種

(よいのくちでともせいまこそきみのれいめいき)

宵の口で灯せ　今こそ君の黎明期