言の葉遊戯

(きょうはだれであそびましょうね？)

今日は誰で遊びましょう……ね？

(あいそれはごくふかしぎなかい)

【愛】……其れは極不可思議な解

(よわきはなが、いただき？)

弱き花が、頂？

(そう、のうあるはなは)

そう、能ある花は

(どくをひたかくしているの)

毒をひた隠しているの

(おもわせぶりなせりふをふりまいて)

思わせぶりな台詞を振りまいて

(おとこたちをそのてでころころと)

男たちをその手でコロコロと

(おもいどおりにころがすだけの)

思い通りに転がすだけの

(たのしいたのしいおあそび)

楽しい愉しいお遊び

(おとめかいどうはるはみじかし)

乙女街道　春は短し

(さきけどいくばくしりているなら)

咲けど幾許　知りているなら

(いまがさかりとさかせごうよく)

今が盛りと咲かせ強欲

(ありったけのあいでかしずきなさい)

ありったけの【愛】で傅きなさい

(かぜにそよぎてはなはまんかい)

風にそよぎて　花は満開

(されどうきよはうつりながれる)

されど浮世は移り流れる

(かしずくあいをねぶみちらして)

傅く【愛】を値踏み散らして

(あはれむなしいあいのとらわれ)

あはれ虚しい【哀】の囚われ

(ねえ？)

「ねえ～？」

(ぼくは、きみにきょうみはない)

「僕は、君に興味は無い……」

(えぇっ！？)

「えぇ～～っ！？」

(たのむからほっといて)

「頼むからほっといて……」

(うぐっ)

「うぐっ……」「……」

(わたしにきがないなんてあなた、なんじゃない！？)

「私に気がないなんて……貴男、×××なんじゃない！？」

(はいはい)

「はいはい（棒読み）」

(うわめづかいのいろかでせまっても？)

上目遣いの色香で迫っても……？

(くんし、あやうきにはふたをしましょう？)

「君子、危うきには……蓋をしましょう？」

(ちょっとぉ！それをいうなら「ちかよらず」でしょ！？)

「ちょっとぉ！……それを言うなら『近寄らず』でしょ！？」

(おやおやほんとうはかしこい？「)

「おやおや本当は賢い……？」「（ごほごほ）……」

(おとめかいどうなつもみじかし)

乙女街道　夏も短し

(ちるはいくばくしりているなら)

散るは幾許　知りているなら

(いまがさかりととばせゆうわく)

今が盛りと飛ばせ誘惑

(ありったけのあいでかしずきなさい)

ありったけの【愛】で傅きなさい

(あめにうたれどはなはしのびて)

雨に打たれど　花は忍びて

(はらりうきよのせみにたゆたう)

はらり憂き世の瀬見にたゆたう

(かしずくあいのまこと、わすれて)

傅く【愛】の真、忘れて

(あはれわびしいあいにおぼれる)

あはれ侘しい【哀】に溺れる

(かよわくて、かまととえんじて)

か弱くて、かまとと演じて

(あいそわらいでこびて)

愛想笑いで媚びて

(ほんとうのわたしは？)

本当の私は……？

(ほんとうのあなたは？)

本当の貴女は……？

(どこ？どこ？わすれてしまったの？)

何処？何処？　忘れてしまったの？

(おとめかいどういのちみじかし)

乙女街道　命短し

(さきけどいくばくしりているのよ)

咲けど幾許　知りているのよ

(いずれみにくくしおれるのなら)

何れ醜く　萎れるのなら

(しもがれるまえにさきつくす)

霜枯れる前に　咲き尽くす

(うつろうあいにおぼれるはなは)

虚ろう哀に溺れる花は

(かげろうおいてあはれごりむちゅう)

陽炎追いて　あはれ五里霧中

(されどうきよもるるとながれる)

されど浮き世も縷々と流れる

(ちるをおそれずにみをむすべ)

散るを恐れずに　実を結べ

(おとめかいどうあきをしのびて)

乙女街道　秋を忍びて

(ふゆをこえまたはなをさかせよう)

冬を越え　また花を咲かせよう

(いまがさかりか？いまだつぼみか？)

今が盛りか？　未だ蕾か？

(うららかなはるをまちわびたきみは)

うららかな春を待ちわびた君は

(ゆきどけにめぶきさく)

雪解けに芽吹き咲く