春愁

(はなはあいのくうにさき)

花は藍の空に咲き

(みなれたけしきをいろどる)

見慣れた景色を彩る

(ばちがいなぼくはすみっこのすみ)

場違いな僕は隅っこの隅

(いきもできないくらいに)

息もできないくらいに

(おくびょうないろにそまってた)

臆病な色に染まってた

(つらいなんてことばじゃたりないみたい)

辛いなんて言葉じゃ足りないみたい

(ほら、あふれた)

ほら、溢れた

(はながさいたはるのみち)

花が咲いた春の路

(いまじゃもうあしがすくんで)

今じゃもう足が竦んで

(なにをしてんだかってはいてた)

何をしてんだかって吐いてた

(やぶりすてたかいとうも)

破り棄てた解答も

(いまになってこうかいしてんだ)

今になって後悔してんだ

(ただしかったよ)

正しかったよ

(せんせい、あなたは)

先生、あなたは

(ふりかえるひまもないまま)

振り返る暇もないまま

(きづかないまま)

気づかないまま

(おとなになってしまったんだ)

大人になってしまったんだ

(ちにおちたむしょくのぐんじょう)

地に落ちた 無色の群青

(こんなはずじゃなかったんだ)

こんな筈じゃなかったんだ

(しんでしまいたいなんてきょうもいって)

死んでしまいたいなんて今日も言って

(なにもかわらないあすをまっていた)

何も変わらない明日を待っていた

(いきるいみにこがれる)

生きる意味に焦がれる

(くうはくのきせつと)

空白の季節と

(あいまってちゅうをまって)

相俟って宙を舞って

(いきさきもみかいめい)

行き先も未解明

(しゅうちゃくてんはあるらしい)

終着点はあるらしい

(はるかぜのふくまま)

春風の吹くまま

(うんめいならみをまかして)

運命なら身を任して

(このあいまいかつふせいかいなせかいに)

この曖昧かつ不正解な世界に

(まだきたいしているんだ)

まだ期待しているんだ

(すてきなみらいを)

素敵な未来を

(いきることにせいいっぱい)

生きる事に精一杯

(きをぬけばないてしまいそう)

気を抜けば泣いてしまいそう

(つくろってよそおってきょうもげんきです)

繕って装って今日も元気です

(いきもできないくらいに)

息もできないくらいに

(みずからのくびをしめていく)

自らの首を絞めていく

(おとなになること)

大人になる事

(そういうことじゃないでしょ)

そういう事じゃないでしょ

(まちがえることのないせかい)

間違える事のない世界

(くいのないせかい)

悔いのない世界

(そんなりそうをえがいていた)

そんな理想を描いていた

(さむぞらにうつったぐんぞう)

寒空に映った群像

(のばしたてはあいのなかへ)

伸ばした手は藍の中へ

(めをそらしてばかりのげんじょうは)

目を逸らしてばかりの現状は

(まるでかいかをわすれたつぼみのようで)

まるで開花を忘れた蕾のようで

(すぎたひびにこがれる)

過ぎた日々に焦がれる

(ほうせきのきせつと)

宝石の季節と

(あいまってちゅうをまって)

相俟って宙を舞って

(けつまつもみかいめい)

結末も未解明

(はっぴーえんどはあるらしい)

ハッピーエンドはあるらしい

(ゆううつにたれこむ)

憂鬱に垂れ込む

(うんめいならふきとばして)

運命なら吹き飛ばして

(そのあいまいかつゆうあいなにおいに)

その曖昧かつ悠藍な匂いに

(またねがってしまうよ)

また願ってしまうよ

(すてきなみらいを)

素敵な未来を

(いきるためにたいそうないりゆうを)

生きる為に大層ない理由を

(いくつもっていたって)

幾つ持っていたって

(いみはないようです)

意味はないようです

(あきらめたいみらいじゃないから)

諦めたい未来じゃないから

(しょうこりもなくねがってしまうみたい)

性懲りもなく願ってしまうみたい

(ちらかったこころが)

散らかった心が

(あいたいのいろをなして)

相対の色を為して

(はきだしたことのはも)

吐き出した言の葉も

(いつのひかわらえますように)

いつの日か笑えますように

(はるかぜにふかれて)

春風に吹かれて

(なきだしたいきょうもあって)

泣き出したい今日もあって

(まちがって、ころんで、すりへって)

間違って、転んで、擦り減って

(いきて)

生きて

(くうはくのきせつと)

空白の季節と

(あいまってちゅうをまって)

相俟って宙を舞って

(いきさきもみかいめい)

行き先も未解明

(しゅうちゃくてんはあるらしい)

終着点はあるらしい

(はるかぜのふくまま)

春風の吹くまま

(うんめいならみをまかして)

運命なら身を任して

(このあいまいかつふせいかいなせかいに)

この曖昧かつ不正解な世界に

(ずっときたいしているんだ)

ずっと期待しているんだ

(すてきなみらいを)

素敵な未来を