絶景/浦島坂田船

(ただあいはたゆたうように)

ただ藍は揺蕩うように

(こいはからくれない)

恋は 韓紅

(そまりそまるこのこころを)

染まり 染まる この心を

(ふでにのせていまぜっけい)

筆に乗せて今 絶景

(めまぐるしくうつりゆくひびがまるで)

目まぐるしく移りゆく日々がまるで

(がらんどうあじけないまっしろけそうおもうのなら)

がらんどう味気ない真っ白け そう思うのなら

(きみににあういろのゆめをいまここに)

君に似合う 色の夢を今ここに

(えがきだしますはよもすがら)

描き出しますは 世もすがら

(たのしむためのいちまい)

楽しむための一枚

(はなもとりもかぜもつきも)

花も鳥も風も月も

(すべてはおもいのままさ)

全ては思いのままさ

(きみのいまをいろどるのは)

君の今を彩るのは

(あさいふかいまぶしいくらい)

浅い？ 深い？ 眩しい？ 暗い？

(さぁどのいろのぜっけい)

さぁ、どの色の 絶景

(そいてははなもえぎ)

添いては 鼻萌葱

(みちてはきくちなし)

満ちては 黄支子

(いろはにほふきみのために)

いろはにほふ 君の為に

(ひらくうきよのはなひゃっけい)

開く浮世の華 百景

(はれやぐしょうじょうひ)

晴れやぐ 猩々緋

(りんといまむらさき)

凛と 今紫

(そめてみたいきみのこころ)

染めてみたい 君の心

(だれよりもぼくのいろで)

誰よりも 僕の色で

(さぁえがきましょうぜっけい)

さぁ、描きましょう 絶景

(うきめのよとこぼれでるなみだよりも)

憂き目の世と こぼれ出る涙よりも

(ちょいとかおあげてほほえんだ)

ちょいと顔上げて微笑んだ

(きみをえがきたい)

君を描きたい

(ふりかえればすぐそこにあるはなやぎ)

振り返れば すぐそこにある華やぎ

(ふじへとうかいどうへいかずとも)

富士へ 東海道へ 行かずとも

(ひびはただうつくしい)

日々はただ美しい

(あきれるほどうわつくよは)

あきれるほど浮つく世は

(きみがそこにいればこそ)

君がそこに居ればこそ

(ぼくのいまをいろどるのは)

僕の今を彩るのは

(ひらりふわりはなのように)

ひらりふわり花のように

(さいたきみのぜっけい)

咲いた君の 絶景

(そらにははなあさぎ)

空には 花浅葱

(ひかりはおみなえし)

光は 女郎花

(いろはにほふきみがわらう)

いろはにほふ 君が笑う

(そのいとおしさのひゃっけい)

その愛おしさの 百景

(あいはたゆたうように)

藍は 揺蕩うように

(こいはからくれない)

恋は 韓紅

(そまりそまるこのこころを)

染まり 染まる この心を

(このおもいをふでにのせて)

この想いを筆に乗せて

(ひがしへにしへ)

東へ西へ

(このめにうつして)

この眼に写して

(みがきあげたこのうで)

磨き上げたこの腕

(えがきあげたにしきえ)

描き上げた錦絵

(きえてなくなってしまう)

消えてなくなってしまう

(まえにただだきとめた)

前にただ抱き留めた

(うつくしきゆめを)

美しき夢を

(ひっせいぼくらはさがしてる)

畢生 僕らは探してる

(わすれえぬしゅんかん)

忘れえぬ 瞬間

(たとうならばきみがわらう)

例うならば 君が笑う

(そのいとおしさのひゃっけい)

その愛おしさの 百景

(あいはたゆたうように)

藍は 揺蕩うように

(こいはからくれない)

恋は 韓紅

(そまりそまるこのこころを)

染まり 染まる この心を

(このおもいをふでにのせて)

この想いを筆に乗せて

(さぁえがきましょうぜっけい)

さぁ、描きましょう 絶景