カルデネ

(かるでねのまえのけしきを)

カルデネの前の景色を

(だれがみたというのさ)

誰が見たというのさ

(めのまえにいるあのこの)

目の前に居る　あの子の

(こうさいをのみこんだ)

虹彩を呑み込んだ

(しらないことをきいてくるのは)

知らないことを訊いてくるのは

(だれかのわるいくせだ)

誰かの悪い癖だ

(きのうのえきでかったきゃんどる)

昨日の駅で買ったキャンドル

(なぜだかひがつかない)

何故だか火がつかない

(しらないことをかくしたいのは)

知らないことを隠したいのは

(あなたとはなしたいから)

あなたと話したいから

(けいたいでんわをみたくないのは)

携帯電話を見たくないのは

(なにかがよんでるから)

何かが呼んでるから

(かるでねのさいごだったら)

カルデネの最期だったら？

(ぼくはどうするんだろう)

僕はどうするんだろう

(あなたがのぞむけしきを)

あなたが望む景色を

(みせてあげられるだろうか)

見せてあげられるだろうか

(みえないものをかんじとるのは)

見えないものを感じ取るのは

(ぼくにはできやしなくて)

僕には出来やしなくて

(きのうのえきでのんだこーひー)

昨日の駅で飲んだ珈琲

(だれかのまねをしたんだ)

誰かの真似をしたんだ

(あなたのうでにすがりたいのは)

あなたの腕に縋りたいのは

(みるくをそそぐのとにている)

ミルクを注ぐのと似ている

(けいたいでんわにみむきもしないで)

携帯電話に見向きもしないで

(まどらーをまわすじかんがすきだよ)

マドラーを回す時間が好きだよ

(かるでねのあいをのんだら)

カルデネの愛を呑んだら

(ぼくはどうなるんだろう)

僕はどうなるんだろう

(ゆがんだはいいろのそらを)

歪んだ灰色の空を

(みせてあげられるだろうか)

見せてあげられるだろうか

(かるでねのまえのけしきを)

カルデネの前の景色を

(だれがみたというのさ)

誰が見たというのさ

(しらないふりもできないからさ)

知らないふりも出来ないからさ

(うそをはいたのだろう)

嘘を吐いたのだろう

(かるでねはいきをする)

カルデネは息をする

(じゅぴたのきおくのしゅうまつで)

ジュピタの記憶の終末で

(あなたがしらぬけしきは)

あなたが知らぬ景色は

(ぼくをみていられるだろうか)

僕を見ていられるだろうか