あみだくじ

(かきだすしゅんかんから)

書き出す瞬間から

(いりまじるぐうぜんに)

入り混じる偶然に

(みちびかれてすすみましょう)

導かれて進みましょう

(そのせんがどこまでつづくのか)

その線がどこまで続くのか

(わからないまま)

分からないまま

(ふたりはこうさした)

二人は交差した

(すずみにはいったしょくどう)

涼みに入った食堂

(かわべにあるべんち)

川辺にあるベンチ

(あなたにてをふったかいさつ)

あなたに手を振った改札

(はなびをみたべらんだ)

花火を見たベランダ

(さりげないひびに)

さりげない日々に

(まぼろしをおとしてく)

幻を落としてく

(こびりついたいろで)

こびりついた色で

(さきをかけるように)

先を描けるように

(とうめいないとにたぐりよせられた)

透明な糸に手繰り寄せられた

(わたしがとおくにいってしまって)

私が遠くに行ってしまって

(たいおんがあぶくになって)

体温が泡になって

(そんなしまいがしかたないとしても)

そんな終いが仕方ないとしても

(せめてまちがってなかったよって)

せめて間違ってなかったよって

(なんかいもおもいだせるように)

何回も思い出せるように

(あせないようにゆびをからめた)

褪せないように指を絡めた

(ゆめのなかでふたりかたらえるような)

夢の中で二人語らえるような

(ひだまりをさがしてる)

陽だまりを探してる

(ふじょうりないたずらでとぎれてしまうけど)

不条理な悪戯で途切れてしまうけど

(それがいくらもろくたよりなくても)

それがいくら脆く頼りなくても

(うつくしいみらいをうたいましょう)

美しい未来を謳いましょう

(まばゆいいしばし)

眩い石橋

(くつずれ)

靴擦れ

(ねつのこもったへや)

熱のこもった部屋

(あなたのなみだでしめったしろいしゃつのみぎかた)

あなたの涙で湿った白いシャツの右肩

(いつのまにかおくのほうに)

いつの間にか奥の方に

(うわっていたでんきしんごうが)

植わっていた電気信号が

(まえぶれもなくかおをだして)

前触れもなく顔を出して

(あなたのてをひいてくれる)

あなたの手を引いてくれる

(てんとてんをつなぎあって)

点と点を繋ぎ合って

(もうあたりまえになって)

もう当たり前になって

(しんをきらしたさきがみえなかった)

芯を切らした先が見えなかった

(だからぺーじのしたにうつった)

だからページの下に写った

(あとをなぞれるように)

跡をなぞれるように

(あるけるように)

歩けるように

(とおくにいってしまって)

遠くに行ってしまって

(ひょうじょうもおぼろになって)

表情も朧になって

(そんなしまいがおとずれないといいな)

そんな終いが訪れないといいな

(あのねこうでよかったんだったよって)

あのねこうで良かったんだったよって

(ずっとわすれないように)

ずっと忘れないように

(おちないようにかたにもたれた)

落ちないように肩に凭れた

(いやにたかいびるのうえ)

いやに高いビルの上

(まどろむような)

微睡むような

(ぬくもりのなかにいた)

温もりの中にいた

(ありがとういつもわらっていて)

ありがとういつも笑っていて

(とぎれてしまっても)

途切れてしまっても

(それがいくらとおくむずかしくても)

それがいくら遠く難しくても

(すてきなおわりをねがいましょう)

素敵な終わりを願いましょう