だって、優等生/なるみや

(わたししょうがいだってゆうとうせいおとなたちのじゅうじゅんないぬでありたいの)

私生涯だって優等生大人たちの従順な犬でありたいの

(ちゅうじつにいきてこそのうがたらないざことちがうの)

忠実に生きてこそ脳が足らない雑魚と違うの

(たちまちほらねもうおきにいり)

たちまちほらねもうお気に入り

(ああきたならしなみだでぬれた)

ああ汚らし涙で濡れた

(こころのおくのふかいあなをうめてほしいなら)

心の奥の深い穴を埋めてほしいなら

(ひそやかにかつあざやかな)

密やかにかつ鮮やかな

(よわみをさらしましょうこれもしゃかいのおべんきょうね)

弱みを晒しましょうこれも社会のお勉強ね

(わたししょうがいだってゆうとうせいおとなたちの)

私生涯だって優等生大人たちの

(じゅうじゅんないぬでありたいおとしごろ)

従順な犬でありたいお年頃

(きみはしょうがいとうていれっとうせいわたしよりもしあわせにならないでね)

君は生涯到底劣等生私よりも幸せにならないでね

(ああじゆうにいきるきみがわたしよりもしあわせにならないでね)

ああ自由に生きる君が私よりも幸せにならないでね

(しろいはだとなまえのわたしににあうわたしでいたいよ)

白い肌と名前の私に似合う私でいたいよ

(たゆまずかかさずにこびうり)

弛まず欠かさずに媚び売り

(ああけがらわしわたしのなかの)

ああ穢らわし私の中の

(ひどくにごったそれにだれもきづきませんように)

酷く濁ったソレに誰も気づきませんように

(うまれつきはいいろのいき)

生まれつき灰色の域

(そんなんどうしようもないよつおりあのひのかるて)

そんなんどうしようもない四つ折りあの日のカルテ

(はんこうのさきはがらんどう)

反抗の先は伽藍堂

(うまれたときがおてんのわたしだから)

生まれた時が汚点の私だから

(どろみずでひたったのうにはあのぼろぞうきんがよくにあう)

泥水で浸った脳にはあのボロ雑巾が良く似合う

(わたしわたししょうがいだってねえせんせい)

わたし私障害だってねえ先生

(おとなたちのじゅうじゅんないぬでなくちゃいきられない)

大人たちの従順な犬でなくちゃ生きられない

(じゆうにいきるきみがわたしよりもしあわせになってんなよ)

自由に生きる君が私よりも幸せになってんなよ

(ああああああ)

ああああああ

(にげられないいわかんにむせびなき)

逃げられない違和感に咽び泣き

(むくなこころむしばむはれんち)

無垢な心蝕む破廉恥

(おとなになるとはどくもほおばることよ)

大人になるとは毒も頬張ることよ

(しあわせになりたいのしょうがいだってゆうとうせいこれでいいの)

幸せになりたいの生涯だって優等生これでいいの

(じゅうじゅんないぬでありたいのしあわせになりたい)

従順な犬でありたいの幸せになりたい