先生 前編 -5-

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師匠シリーズ
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問題文

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(なんだかきけんなかんじ。あわててまえをむいてあるきだす。)

なんだか危険な感じ。慌てて前を向いて歩き出す。

(とちゅう、やまにのぼるよこみちがいくつかあったけれどなんとかまよわずに)

途中、山に登る横道がいくつかあったけれどなんとか迷わずに

(ちんじゅのもりのじんじゃまでたどりつけた。)

鎮守の森の神社までたどり着けた。

(いちおうおまいりしておくことにする。きにかこまれたさんどうをすすみ、)

一応お参りしておくことにする。木に囲まれた参道を進み、

(ちいさなとりいをくぐる。ふるぼけたたてものがひっそりとたたずんでいるそのまえにたち、)

小さな鳥居をくぐる。古ぼけた建物がひっそりと佇んでいるその前に立ち、

(おさいせんばこにちりんとひゃくえんだまをなげこむ。やっぱりよいおとだ。)

お賽銭箱にチリンと百円玉を投げ込む。やっぱり良い音だ。

(じんじゃのなかにはひとのけはいはない。)

神社の中には人の気配はない。

(だれかかよってきてていれをしたりしているのだろうか。)

誰か通ってきて手入れをしたりしているのだろうか。

(くるりとまわれみぎをしてもときたさんどうをたどる。とちゅうでちいさないけがあるのに)

くるりと回れ右をして元きた参道をたどる。途中で小さな池があるのに

(きづいてよこみちにそれた。とりいのよこあたりだ。すいめんではあめんぼがすいすいと)

気づいて横道に逸れた。鳥居の横あたりだ。水面ではアメンボがすいすいと

(およいでいるけれど、みずのなかはにごっていてよくみえない。)

泳いでいるけれど、水の中は濁っていてよく見えない。

(あめがふらないあいだはきっとひあがるんだろうなとおもいながらかおをあげ、)

雨が降らないあいだはきっと干上がるんだろうなと思いながら顔をあげ、

(やまみちにもどる。)

山道に戻る。

(さくさくというつちのおとをききながらあるいていると、)

サクサクという土の音を聞きながら歩いていると、

(なにかだいじなものをわすれたきがしてふりむいた。)

なにか大事なものを忘れた気がして振り向いた。

(そこにはとりいがあるだけだったけれど、そういえばかえりにとりいを)

そこには鳥居があるだけだったけれど、そう言えば帰りに鳥居を

(くぐってないなとおもいだす。まあいいやとおもってさきへいくと、)

くぐってないなと思い出す。まあいいやと思って先へ行くと、

(だんだんとへんな、ぐるぐるしたかんじがあたまのすみにわいてきて、)

だんだんと変な、ぐるぐるした感じが頭の隅にわいてきて、

(それがどんどんおおきくなってきた。なんだろう。きぶんがわるい。)

それがどんどん大きくなってきた。なんだろう。気分が悪い。

(けしきがみょうにいろあせてみえる。)

景色が妙に色あせて見える。

など

(ぼくはきょろきょろとあたりをみまわしたいきもちをおさえて)

僕はキョロキョロとあたりを見回したい気持ちを抑えて

(ひかりとかげがこうごにやってくるさんどうをはやあしでぬけた。)

光と影が交互にやってくる参道を早足で抜けた。

(どうしよう。もどろうか。)

どうしよう。戻ろうか。

(そうかんがえたけれど、またにげかえるのはしゃくにさわる。)

そう考えたけれど、また逃げ帰るのはシャクに触る。

(どっかからゆうきがわいてこないかとまっていると、)

どっかから勇気がわいてこないかと待っていると、

(おさいせんばこにひゃくえんだまをいれたちりんというおとがみみによみがえってきた。)

お賽銭箱に百円玉を入れたチリンという音が耳に蘇ってきた。

(ようし、ひゃくえんだからな。まえはじゅうえん。きょうはひゃくえんだ。)

ようし、百円だからな。前は十円。今日は百円だ。

(そんなかんじでむりやりゆうきをひっぱりだして、)

そんな感じで無理やり勇気を引っ張り出して、

(かえりみちのはんたいほうこうへあしをむけた。ざんざんとつちをふんであるく。)

帰り道の反対方向へ足を向けた。ザンザンと土を踏んで歩く。

(せみのこえはあいかわらずやかましくて、あたりはうすぐらくて、どこまでおなじように)

蝉の声は相変わらずやかましくて、あたりは薄暗くて、どこまで同じように

(まがりくねったみちがつづいている。みちのさきにはだれのあしあともない。)

曲がりくねった道が続いている。道の先には誰の足跡もない。

(ときどきふりかえるけれどじめんにはぼくのあしあとがついているだけ。)

時どき振り返るけれど地面には僕の足跡がついているだけ。

(かーぶのたびにだれかぼくじゃないひとのすがたがきのかげにかくれたようなきがするけれど、)

カーブのたびに誰か僕じゃない人の姿が木の影に隠れたような気がするけれど、

(きっとさっかくなのだろう。だんだんみちはせまくなり、たおれたきがそのまま)

きっとサッカクなのだろう。だんだん道は狭くなり、倒れた木がそのまま

(ほっておかれてきのこなんかはえちゃってるのをみると)

放っておかれてキノコなんか生えちゃってるのを見ると

(やっぱりこのさきはただのいきどまりじゃないかとかんがえてしまう。)

やっぱりこの先はただの行き止まりじゃないかと考えてしまう。

(りゅっくさっくにつめたほぞんしょくりょう、まあそれはくっきーや)

リュックサックにつめた保存食料、まあそれはクッキーや

(りんごだったのだけれど、そういうものがやくにたつようなことが)

リンゴだったのだけれど、そういうものが役に立つようなことが

(ないようにいのりながら、ほういじしんをみたり、ふりかえったり、)

ないように祈りながら、方位磁針を見たり、振り返ったり、

(ちりんというおとをおもいだしたりしてぼくはあるきつづけた。)

チリンという音を思い出したりして僕は歩き続けた。

(やがてひときわくらいきのあーちがまるでとんねるのゆうれいのようにあらわれ、)

やがて一際暗い木のアーチがまるでトンネルの幽霊のように現れ、

(ぼくはすこしだけあしぶみをしてからそのおくにすいこまれていく。)

僕は少しだけ足踏みをしてからその奥に吸い込まれて行く。

(なんというなまえのきだろう。ぶあついはっぱがあたまのうえをおおいつくして、)

なんという名前の木だろう。分厚い葉っぱが頭の上を覆い尽くして、

(ひかりがほとんどもれてこない。ときどきくらがりからしろいてがすいすいと)

光がほとんど漏れてこない。時どき暗がりから白い手がスイスイと

(ゆれているのがみえたきがしてからだがかたくなる。)

揺れているのが見えた気がして身体が硬くなる。

(あしもとをみるとぼくのあしはたしかにいままでとおなじつちをふんでいて、)

足元を見ると僕の足は確かに今までと同じ土を踏んでいて、

(そのうえにたっているかぎりはだいじょうぶだとじぶんにいいきかせながら)

その上に立っている限りは大丈夫だと自分に言い聞かせながら

(ほとんどはしるようなすぴーどでそのとんねるをぬけた。)

ほとんど走るようなスピードでそのトンネルを抜けた。

(ぱあっ、とめのまえがあかるくなる。)

ぱあっ、と目の前が明るくなる。

(しろいくもがぽつんとそらにうかんでいる。そのしたにはみどりのまぶしいあぜみちがのびている。)

白い雲がぽつんと空に浮かんでいる。その下には緑の眩しい畦道が伸びている。

(はたけがある。やまのうえにはいくつかいえがみえる。つばめがとんでいる。)

畑がある。山の上にはいくつか家が見える。ツバメが飛んでいる。

(かえるがないている。)

蛙が鳴いている。

(ぼくは、はぁっ、といきをはきだして、それからすいこむ。)

僕は、はぁっ、と息を吐き出して、それから吸い込む。

(なんだ、べつのしゅうらくにつうじているじゃないか。しげちゃんめ。うそこきやがって。)

なんだ、別の集落に通じているじゃないか。シゲちゃんめ。嘘こきやがって。

(そうおもって、しぜんにかるくなるあしをふりあげ、あぜをすすむ。)

そう思って、自然に軽くなる足を振り上げ、畦を進む。

(でもよくかんがえると、とちゅうのもりのなかになにもなかったのはたしかだ。)

でもよく考えると、途中の森の中になにもなかったのは確かだ。

(ううむ。うそつきだといってやっても、へこませられるかじしんがないな。)

ううむ。嘘つきだと言ってやっても、へこませられるか自信がないな。

(ふとおもいついて、ふりかえるとさっきぬけたもりのいりぐちが)

ふと思いついて、振り返るとさっき抜けた森の入り口が

(ぽっかりとくらいくちをあけている。)

ぽっかりと暗い口を開けている。

(かえるときにまたあそこをとおるのかとおもうとすこしいやなきぶんになったけれど、)

帰る時にまたあそこを通るのかと思うと少し嫌な気分になったけれど、

(ひょっとするとほかにみちがあるかもしれないとかんがえて、)

ひょっとするとほかに道があるかも知れないと考えて、

(とりあえずだれかこのあたりのひとをさがすことにした。)

とりあえず誰かこのあたりの人を探すことにした。

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