アパテイア

(しがれっとのにおいがしみついたごぜんよじ)

シガレットの匂いが染みついた午前四時

(ものかげにひそんでったのけもののまちで)

物陰に潜んでった除け者の街で

(あるまーにのとけいがかけあしできざんでく)

アルマーニの時計が駆け足で刻んでく

(へいおんもとっくのとうになくしていた)

平穏もとっくのとうに無くしていた

(ぷろーじっとしとせいへ)

プロージット(乾杯)　死と生へ

(くらんだわずかなぎんか)

眩んだ　僅かな銀貨

(さびついたあてなはれしーとのきれはしに)

錆ついた宛名は　レシートの切れ端に

(できることならしっぽまいて)

出来る事なら　しっぽ巻いて

(またこんどとでかいこえでけるさ)

「また今度」とでかい声で蹴るさ

(まあもうおそいけれど)

まあもうおそいけれど

(ばからしくてくらいついていけ)

莫迦らしくて　喰らいついていけ

(かえるばしょもないこのよはもういいだろう)

還る場所も無い　この世はもういいだろう？

(こわれぬようにまだこわれぬように)

壊れぬように　まだ壊れぬように

(ぬれたつらをぬぐいながらあるいてこうぜ)

濡れた面を拭いながら歩いてこうぜ

(くろーぜっとかくしていた)

クローゼット　隠していた

(にじんだそのべるべっと)

滲んだ　そのベルベット

(こわくてたまらなくてだまってひきさいた)

怖くて堪らなくて　黙って引き裂いた

(うざったいほどまわったちとだえきのあじがまざってった)

うざったい程廻った　血と唾液の味が混ざってった

(にげばももうおわりみたいだ)

逃げ場ももう終わりみたいだ

(さざめきながらよごれたそのてが)

さざめきながら　汚れたその手が

(きしんだむくなせをさしわらった)

軋んだ無垢な背を指し笑った

(こわくはないさもうこわくはないさ)

怖くはないさ　もう怖くはないさ

(あとはおえたあさにでもはくつけようぜ)

後は終えた朝にでもハク付けようぜ

(ばからしくてもくらいついていけ)

莫迦らしくても喰らいついていけ

(へいわのつづくせかいはたかねさ)

平和の続く　世界は高嶺さ

(ふるえぬようにまだふるえぬように)

震えぬように　まだ震えぬように

(ぬれたつらをぬぐいながらそのてをあげ)

濡れた面を拭いながらその手を上げ

(こんなもんかとかすかなちからで)

こんなもんかと　微かな力で

(まもるものもないこのよにかーてんこーる)

護るものも無い　この世にカーテンコール

(かわれるもんさほらかわれるもんさ)

変われるもんさ　ほら飼われるもんさ

(ぼくはふらちなひーろーだおぼえておけ)

ボクは不埒な"HERO"だ　覚えておけ