政略結婚

(ほんじつはみなさん わたしたちのひろうえんにきてくださってありがとうございます)

本日はみなさん 私達の披露宴に来てくださってありがとうございます

(ほんじつこうしてはれてふうふになれたのも みなさまのささえがあったればこそ)

本日こうして晴れて夫婦になれたのも 皆様の支えがあったればこそ

(こころからかんしゃします)

心から感謝します

(おとうさんおかあさん これまでたいせつにそだててくださって)

お父さんお母さん これまで大切に育ててくださって

(ありがとうございます とくこはしあわせになります)

ありがとうございます 徳子は幸せになります

(まだまだみじゅくなわたしたちですが これからもよろしくおねがいいたします)

まだまだ未熟な私達ですが これからもよろしくお願いいたします

(おっとはきょうあったばかりですが)

夫は今日会ったばかりですが

(かいわしてませんが)

会話してませんが

(とってもはなしがあいそうです)

とっても話が合いそうです

(ほんとうはもっと)

本当はもっと

(おかあさんのそばに)

お母さんのそばに

(みんなとあそんで)

みんなと遊んで

(いたかった)

いたかった

(わたしはじゅうなな)

私は十七

(ぼくはじゅういっさい)

僕は十一歳

(でもわたしはよろこんで)

でも私は喜んで

(よめをむかえます)

嫁を迎えます

(よめにいきます)

嫁に行きます

(よめをむかえます)

嫁を迎えます

(よめにいきます)

嫁に行きます

(すべてはへいけのため)

全ては平家の為

(すべてはちょうていのため)

全ては朝廷の為

(えーそれでは はなよめのちちたいらのきよもりさまのごあいさつです)

えーそれでは 花嫁の父　平清盛様のご挨拶です

(むすめよ)

娘よ

(いつまでたっても こどもだとおもってたそれなのに)

いつまで経っても 子供だと思ってた　それなのに

(こんなにおおきくなって おとうさんはかんむりょうだよ)

こんなに大きくなって お父さんは感無量だよ

(のぞんだけっこんではないかもしれないが)

望んだ結婚ではないかもしれないが

(わかっておくれ おまえがてんのうけにとつげばわがやはあんたい)

分かっておくれ お前が天皇家に嫁げば我が家は安泰

(おまえがよつぎをうめば いずれわたしはてんのうのおじいちゃん)

お前が世継ぎを産めば いずれ私は天皇のおじいちゃん

(わたしはじゅうなな)

私は十七

(ぼくはじゅういっさい)

僕は十一歳

(わたしはごじゅうよん)

私は五十四！

(でもわたしはよろこんで)

でも私は喜んで

(よめをむかえます)

嫁を迎えます

(よめにいきます)

嫁に行きます

(よめをむかえます)

嫁を迎えます

(よめにいきます)

嫁に行きます

(すべてはへいけのため)

全ては平家の為

(すべてはちょうていのため)

全ては朝廷の為

(すべてはぶしのため)

全ては武士の為

(あなたがなやんでいることは)

あなたが悩んでいることは

(あなたがなやんでいることは)

あなたが悩んでいることは

(いつかだれかがなやんだなやみ)

いつか誰かが悩んだ　悩み

(きよもりのもくろみどおり やがてふたりのあいだにはあんとくてんのうがうまれました)

清盛の目論見通り やがて二人の間には安徳天皇が生まれました

(ちょうていをぎゅうじり ぶしのよのなかをつくろうとしたきよもりでしたが)

朝廷を牛耳り 武士の世の中をつくろうとした清盛でしたが

(むじゅんだらけのこのおとこ うみがなによりすきなのに)

矛盾だらけのこの男 海が何より好きなのに

(ねつでやかれてしんじゃった あたらしいよのなかゆめにみて)

熱で焼かれて死んじゃった 新しい世の中夢に見て

(なにもできずにしんじゃった なにもできずにしんじゃった)

何もできずに死んじゃった 何もできずに死んじゃった！

(おまえはだれだ)

お前は誰だ

(おれたいらのきよもりだ)

俺平清盛だ

(おまえはだれだ)

お前は誰だ

(おれたいらのきよもりだ)

俺平清盛だ

(じょうとうじょうとうえいこせいすい いいじゃねえか)

上等　上等　栄枯盛衰 いいじゃねえか

(めつぼうするならすればいいさ)

滅亡するならすればいいさ

(じごくのそこからこのくにのゆくすえ みとどけてみせるわ)

地獄の底からこの国の行く末 見届けてみせるわ