風葬のアイディール

(ゆめがあればせかいはかわると)

夢があれば世界は変わると

(しょうねんのひたむきなこえは)

少年のひたむきな声は

(おとなたちのげびたちょうしょうに)

大人たちの下卑た嘲笑に

(かきけされてだれにもとどかない)

掻き消されて誰にも届かない

(あいがなければふれられたくない)

愛がなければ触れられたくない

(しょうじょのせつなるさけびは)

少女の切なる叫びは

(めのまえにひろがるげんじつに)

目の前に広がる現実に

(あらがえることなくとだえた)

抗える事なく途絶えた

(みらいをぜつぼうとよぶのなら)

未来を絶望と呼ぶのなら

(いのちはくるしみのたねか)

命は苦しみの種か

(おなじかずのなみだをながしたら)

同じ数の涙を流したら

(すがるようにこいをする)

縋るように恋をする

(きずついたふたりをつなぐものが)

傷ついた二人をつなぐものが

(あまえとよわさでも)

甘えと弱さでも

(ひとひらのきぼうをあたえあい)

ひとひらの希望を与え合い

(ただそばにいてほしい)

ただそばにいて欲しい

(たびだつふたりのむかうさきが)

旅立つ二人の向かう先が

(みをさくひげきでも)

身を裂く悲劇でも

(あなたがいるのならかまわない)

あなたがいるのなら構わない

(だきしめたぬくもりだけをしんじてる)

抱き締めたぬくもりだけを信じてる

(まずしくてもこころはみたされ)

貧しくても心は満たされ

(たがいをかてにいきるひび)

互いを糧に生きる日々

(たえがたいいたみはこどくだと)

耐え難い痛みは孤独だと

(しりすぎたせつじつなあいぶ)

知り過ぎた切実な愛撫

(あしたがかわらずにくることを)

明日が変わらずに来ることを

(たびじがおわらないことを)

旅路が終わらないことを

(いのるさきはかみよりあなただと)

祈る先は神よりあなただと

(ねむるほほにくちづけた)

眠る頬に口づけた

(なきぬれたふたりののぞむものが)

泣き濡れた二人の望むものが

(じゆうとへいわなら)

自由と平和なら

(よくぶかいねがいにあきれられ)

欲深い願いに呆れられ

(またいしをなげられる)

また石を投げられる

(にげだすふたりのめざすさきが)

逃げ出す二人の目指す先が

(なもなきえでんなら)

名も無きエデンなら

(えいえんにたどりつけないまま)

永遠に辿り着けないまま

(ひとしれずかぜにふかれてかれるはな)

人知れず風に吹かれて枯れる花

(あなたにあえこうふくだと)

あなたに会え幸福だと

(ちゃんとつたえられたかおしえて)

ちゃんと伝えられたか教えて

(いてついたふたりをいたむものが)

凍てついた二人を悼む者が

(ひとりもいなくても)

一人もいなくても

(さいごのほほえみはかわらない)

最期の微笑みは変わらない

(まだあいしあうように)

まだ愛し合うように

(ちりゆくふたりのいきたみちが)

散りゆく二人の生きた道が

(じだいのぎせいでも)

時代の犠牲でも

(あなたといれたからくいはない)

あなたといれたから悔いはない

(だきしめたぬくもりだけをしんじてる)

抱き締めたぬくもりだけを信じてる