造花のブーケ

(じゅうにんといろてらすこのせかい)

十人十色　照らすこの世界

(そこにたってるそこにたってる)

そこに立ってる　そこに立ってる

(きがしてる)

気がしてる

(ねおんらいともふかしこうせんも)

ネオンライトも不可視光線も

(すりぬけてくゆうれいみたいに)

すり抜けてく　幽霊みたいに

(よりどりみどりつまむあらかると)

選り取り見取りつまむアラカルト

(からになってくそふとどりんくと)

空になってく　ソフトドリンクと

(ぎらつくめ)

ギラつく目

(めいていしてみあげるあかいつき)

酩酊して見上げる紅い月

(てをひかれてもどれないほうへ)

手を引かれて　戻れない方へ

(ねえおかしくなっちゃったの)

ねえ　おかしくなっちゃったの

(このはいはこのかいはこのきたいは)

この胚は　この解は　この期待は

(そのひとかみにあたえられた)

その一噛みに与えられた

(あなたいろにそめられたなにもかも)

あなた色に染められた　何もかも

(いろあせることないえいきゅうのはなが)

色あせることない永久の花が

(つぼみをとおりこしてさいていた)

つぼみを通り越して咲いていた

(からっぽだったうつわのなかに)

からっぽだった器の中に

(しょうどうすべてささげたくなった)

衝動　すべて捧げたくなった

(しらなかったのしらなかったの)

知らなかったの　知らなかったの

(きがふれる)

気が触れる

(しょうどうつづきがしりたくなった)

衝動　続きが知りたくなった

(もえあがったらもえあがったら)

燃えあがったら　燃えあがったら

(そのさきは)

その先は？

(ねえおかしくなっちゃったの)

ねえ　おかしくなっちゃったの

(このはいはこのかいはこのきたいは)

この胚は　この解は　この期待は

(ささいなしょうへきにはばまれた)

些細な障壁に阻まれた

(あなたにとってわすれたいなにもかも)

あなたにとって忘れたい何もかも

(やがてはいになってつちにかえるから)

やがて灰になって土に還るから

(ほつれるはなうらないのゆくえに)

ほつれる花占いの行方に

(いみなどないとわかっていた)

意味などないとわかっていた

(あなたがおしえてくれたなにもかも)

あなたが教えてくれた　何もかも

(いろあせることないえいきゅうのはなは)

色あせることない永久の花は

(みずがなくてもねをはれなくても)

水がなくても　根を張れなくても

(かたちをなしていられること)

形を成していられること

(すべてうそでもほんものじゃなくても)

すべて嘘でも　本物じゃなくても

(わたしにとってはきれいにみえたから)

私にとっては　綺麗に見えたから

(はなびらをくみたててふやしましょう)

花びらを組み立てて　増やしましょう

(さびしくなんてなれないように)

寂しくなんてなれないように

(あなたにおくるぞうかのぶーけ)

あなたに贈る造花のブーケ