君に贈る花がない

(しろいいきがみちばたではなしかけてる)

白い息が道端で話しかけてる

(それはことばじゃなく)

それは言葉じゃなく

(きこえないこころのこえさ)

聴こえない心の声さ

(しんようじゅのこだちにあみのめのようにさしこんだ)

針葉樹の木立に網の目のように差し込んだ

(かすかなひかりのせんがぼくたちをてらしている)

微かな光の線が僕たちを照らしている

(もしこのかんじょうがいちみりでもうごけば)

もしこの感情が1㎜でも動けば

(かくしたってつたわる)

隠したって伝わる

(ぼくはきみをきみはぼくをすきだよ)

僕は君を君は僕を好きだよ

(だけどむりなねがい)

だけど無理な願い

(たったひとつはながあり)

たった一つ花があり

(だれかへとおくるのなら)

誰かへと贈るのなら

(ぼくはまようことなく)

僕は迷うことなく

(ぜったいきみにとどけるだろう)

絶対(君に)届けるだろう

(だけどそのはなはぼくたちがであうまえにつまれてた)

だけどその花は僕たちが出会う前に摘まれてた

(かなしいけれど)

悲しいけれど

(もうここにはそのはなはさいてない)

もうここにはその花は咲いてない

(おなじことをいつだっておもってるのに)

同じことをいつだって思ってるのに

(ふたりふれないのは)

二人触れないのは

(そうだれかきずつけるから)

そう誰か傷つけるから

(あすふぁるとにひらひらまいおりたゆきのひとかけら)

アスファルトにひらひら舞い降りた雪のひとかけら

(やがてはとけてくようにうんめいははかないもの)

やがては溶けてくように運命は儚いもの

(いまこのいとしさをさけるようにいきれば)

今この愛しさを避けるように生きれば

(すぐちかくにいられる)

すぐ近くに居られる

(きみはぼくをぼくはきみをすきでも)

君は僕を僕は君を好きでも

(ずっといえやしない)

ずっと言えやしない

(たったひとつはながあり)

たった一つ花があり

(ともだちがみつけたなら)

友達が見つけたなら

(ぼくはそのこううんを)

僕はその幸運を

(きっといわいよろこぶだろう)

きっと(祝い)喜ぶだろう

(たとえそのはなにぼくもめをうばわれこころひかれても)

たとえその花に僕も目を奪われ心惹かれても…

(うらぎれないよ)

裏切れないよ

(おそすぎたんだそのはなはかれのもの)

遅すぎたんだ　その花は彼のもの

(まちあわせたばしょまでふたりのせかいはつづくけど)

待ち合わせた場所まで二人の世界は続くけど

(とおくでてをふるかれとさんにんではじまるみち)

遠くで手を振る彼と三人で始まる道

(ぎこちなくなっちゃいけないといつものように)

ぎこちなくなっちゃいけないといつものように

(ぼくはひとりほほえむ)

僕は一人微笑む

(ぼくはきみをきみはぼくをすきだよ)

僕は君を君は僕を好きだよ

(だけどむりなねがい)

だけど無理な願い

(たったひとつはながあり)

たった一つ花があり

(だれかへとおくるのなら)

誰かへと贈るのなら

(ぼくはまようことなく)

僕は迷うことなく

(ぜったいきみにとどけるだろう)

絶対(君に)届けるだろう

(だけどそのはなはぼくたちがであうまえにつまれてた)

だけどその花は僕たちが出会う前に摘まれてた

(かなしいけれど)

悲しいけれど

(もうここには)

もうここには

(もうここにはそのはなはさいてない)

もうここにはその花は咲いてない