砂に刻む歌

(よりによってこんやはまんげつだ)

よりによって今夜は満月だ

(きれいね)

綺麗ね

(よりによってそのころんのかおり)

よりによってそのコロンの香り

(きらい)

嫌い？

(きらいなものか)

嫌いなものか

(よりによってそのぶるーのすかーふ)

よりによってそのブルーのスカーフ

(あなたのおきにいりのいろでしょ)

あなたのお気に入りの色でしょ？

(わかっているよあるばん)

分かっているよ　アルバン

(やめてよじょるじゅもう)

やめてよジョルジュ　もう

(ひとめがあるわ)

人目があるわ

(ぼくはどうかしてるんだ もうにじゅうねんもいっしょにいるのに)

僕はどうかしてるんだ もう二十年も一緒にいるのに

(こうやってふたりきりになると いまだにほおがあかくなる)

こうやって二人きりになると いまだに頬が赤くなる

(ばかね)

馬鹿ね

(はじめてきみとぼくがあるいた)

初めて君と僕が歩いた

(はまべのあきおぼえているか)

浜辺の秋　覚えているか

(かぜにながされてきたあのうた)

風に流されてきたあの歌

(ふしぎだけど)

不思議だけど

(おぼえてるよ)

覚えてるよ

(あれはだだだだだだだ)

あれは　ダダダダ・ダダダ

(すなのうえで)

砂の上で

(あれはだだだだ)

あれは　ダダダダ

(たしかくがつのはじめ)

たしか九月の初め

(なみのおとにかわすことばはろまんてぃっく)

波の音に交わす言葉はロマンティック

(きみとふたりいつまでも)

君と二人　いつまでも

(すなにきざむふたりだけのうたよ)

砂に刻む　二人だけの歌よ

(そしていまもさがすやさしいことば)

そして今も探す　優しい言葉

(ときはすぎたけど)

時は過ぎたけど

(いまよみがえるわかいひよ)

今よみがえる　若い日よ

(あれは)

あれは

(だだだだだだだ)

ダダダダ・ダダダ

(だだだだだだ)

ダダダ・ダダダ

(きみをあいす)

君を愛す

(たしかくがつのはじめ)

たしか九月のはじめ

(なみのおとにかわすことばはろまんてぃっく)

波の音に交わす言葉はロマンティック

(きみとふたりいつまでも)

君と二人　いつまでも

(すなにきざむふたりだけのうたよ)

砂に刻む二人だけの歌よ

(そしていまもさがすやさしいことば)

そして今も探す　優しい言葉

(ときはすぎたけれど)

時は過ぎたけれど

(いまよみがえるわかいひよ)

今よみがえる　若い日よ

(あれは)

あれは

(だだだだだだだ)

ダダダダ・ダダダ

(だだだだだだ)

ダダダ・ダダダ

(きみをあいす)

君を愛す

(ああじょるじゅ)

ああジョルジュ

(あたしのこころはあこーでぃおん)

アタシの心はアコーディオン

(あなたのゆびでかきならされる)

あなたの指でかき鳴らされる

(もうあなたってたいしたしじんだわ)

もうあなたって大した詩人だわ

(でもすなにうたをきざむのはむずかしいとおもうわ)

でも砂に歌を刻むのは難しいと思うわ

(だってちちゅうかいのなみにあらわれてしまうもの)

だって地中海の波に洗われてしまうもの

(でもあなたのいいたいことはよくわかったわ)

でもあなたの言いたいことはよくわかったわ

(あいがすべて)

愛がすべて

(あのこのけっこんもあいがすべてのせきむ)

あの子の結婚も愛が全ての責務

(やきもちもふるきずもすべてわすれて しびるにきてもらいましょう)

やきもちも古傷もすべて忘れて シビルに来てもらいましょう

(そしてさんにんで むすこのけっこんをみまもりましょう)

そして三人で 息子の結婚を見守りましょう

(てにてにてをとって)

手に手に手を取って！

(あるばん もうひとつだいじなはなしがあるんだ)

アルバン もう一つ大事な話があるんだ

(たいへんじょるじゅ にかいめのしょーにおくれるわ)

大変ジョルジュ！ 二回目のショーに遅れるわ

(あるばんまだはなしが)

アルバン　まだ話が...

(あとでねあなた おきゃくさまをまたせちゃいけないでしょう)

あとでねあなた お客様を待たせちゃいけないでしょう

(よりによってこんやにかぎって うまれてはじめてじかんをまもるのか)

よりによって今夜に限って 生まれて初めて時間を守るのか

(あるばんきみはえいえんのおどろきだ)

アルバン　君は永遠の驚きだ

(あれはだだだだだだだ)

あれはダダダダ・ダダダ

(だだだだだだ)

ダダダ・ダダダ

(きみをあいす)

君を愛す