吾が名を呼べ

(はじまりやいつなりし)

「始... まりや... いつ... なりし...

(おはりはいつなりや)

終は... りは... いつ... なりや...

(はじまりやいつなりし)

始... まりや... いつ... なりし...

(おはりはいつなりや)

終は... りは... いつ... なりや...」

(くちもせぬはてもせぬうみもせぬ)

朽ちもせぬ（果てもせぬ）倦(う)みもせぬ

(たゆたうこともあらずあらず)

（揺蕩うことも...あらず）（あらず）

(ながれいるものもなくなく)

流れ入るものもなく... （なく）

(ながれいづるものもなくなく)

流れ出づるものもなく... （なく）

(わきいだすものもあらずあらず)

湧きいだすものもあらず... （あらず）

(きえゆくものもあらず)

消えゆくものもあらず...

(さればわれはここならむやここならむやそれともあるまじや)

されば吾はここならむや（ここならむや）それともあるまじや

(うじょうのものなりやむじょうのものならむや)

有情のものなりや　無情のものならむや

(やみにもあらぬよるにもあらず)

闇にもあらぬ夜にもあらず

(ただくろきばかりのてんがにてんがに)

ただ黒きばかりの天下に　（天下に）

(わすれさられしわれをよぶこえなきこえこえきこえき)

忘れ去られし吾を呼ぶ声なき声！（声！）聴こえき

(ふじょうのわがみにたまふきこむものうちいでき)

「不浄の吾が身に　たま吹き込む者　うちいでき」

(われおもひきくつうだにかんずべからぬくつうよりのがるべくば)

吾　思ひき苦痛だに感ずべからぬ苦痛より逃るべくば

(えいごうのしゅらのみちにこのみなげいるることになんのまよひやあらむ)

永劫の修羅の道にこの身投げ入るることになんの迷ひやあらむ

(いかなるよしかわからねど)

いかなるよしかわからねど

(このてんがにときはなしてはときはなしては)

この天下に解き放しては（解き放しては）

(われがなすべきことをわれはなすばかりなり)

吾が　なすべきことを　吾は　なすばかりなり

(これよりさきはうちはらひつつすすまむうちはらいつつうちこわしつつ)

これより先は打ち払ひつつ進まむ（打ち払いつつ　打ちこわしつつ）

(これよりさきはうちはらひつつすすまむうちはらいつつうちこわしつつ)

これより先は打ち払ひつつ進まむ（打ち払いつつ　打ちこわしつつ）

(われをおそるるものよわがなをよびたまへ)

吾を恐るるものよ　吾が名を　呼びたまへ

(われはときをさかのぼるものなるよこしまうちはらふものなり)

（吾は時を遡るものなる邪打ち払ふものなり）

(われをおそるるものよわがなをよびたまへ)

吾を恐るるものよ　吾が名を　呼びたまへ

(われこそはしゅごしゃなるのちのよのもりびとなるぞ)

（吾こそは守護者なる　のちの世の　守り人なるぞ）

(われはなすばかりなりわれがなすべきことを)

吾は　なすばかりなり　吾が　なすべきことを

(われはなすばかりなりわれがなすべきことを)

吾は　なすばかりなり　吾が　なすべきことを