東京ナイトホーク

(すてきれなかったぷらいどでいきができなくて)

捨て切れなかった自尊心で息が出来なくて

(ひとしれずからしたヴぇろにかよるがふけてゆく)

人知れず枯らしたヴェロニカ　夜が更けてゆく

(みたされなかったじんせいであしをすべらせて)

満たされなかった人生で足を滑らせて

(はいびるからちじょうにおっこちたそんなゆめをみる)

廃ビルから地上に落っこちた　其様夢を視る

(ああぼくがしたいになったらきみらきょうはんしゃ)

あゝ僕が屍体に為ったら君等、共犯者

(なんてくうそうにきょうもふけっている)

なんて空想に今日も耽っている

(ゆがんだめいくをきかざって)

歪んだ御化粧を着飾って

(いまれっとうかんとまってやるわ)

今、劣等感と舞ってやるわ

(ねえさんざんふぇいくとからかって)

ねえ散々偽物と揶揄って

(ならきみのことばはなんだろうね)

なら君の言葉は何だろうね

(まどんなみいらもしらないで)

マドンナ、木乃伊も知らないで

(ぶらうんかんごしにないているわ)

ブラウン管越しに泣いているわ

(つないだりょうてはほうっていて)

繋いだ両手は放置っていて

(そこにあいなんてないんだろうね)

其処に愛なんて無いんだろうね

(あいまいなすいこうでことばをはなっちゃって)

曖昧な推敲で言葉を放っちゃって

(そじょうにふとんをしいたこいのようにまるごしなしょうねんしょうじょ)

俎上に布団を敷いた鯉の様に丸腰な少年少女

(あいまのげんどうってなんかばかにしてんじゃない)

「あ、今の言動ってなんか莫迦にしてんじゃない？」

(かわいそうじゃんかわいそうじゃんね)

「可哀想じゃん」「可哀想じゃんね」

(わたしにはかんけいないけど)

私ニハ関係無イケド

(しろいてをないふでかいたちをのんで)

白い手をナイフで掻いた血を呑んで

(いたいいたいおもいでてにいれた)

痛い痛い思いで手に入れた

(このほんのすこしのこうふくじゃどうも)

此のほんの少しの幸福じゃどうも

(くらせやしないようで)

暮らせやしない様で

(ぼくらわんだーらんどをさまよって)

僕等、ワンダーランドを彷徨って

(さびついたひびにすがっているわ)

錆び付いた日々に縋っているわ

(さいのうがないとはいわないで)

才能が無いとは云わないで

(ぼくにはもうこれしかのこされていないのだ)

僕にはもう是しか残されていないのだ

(ああいきがしたいんだったらなにがせいかいかは)

あゝ息がしたいんだったら何が正解かは

(ぼくのしんぞうがとうにわかっている)

僕の心臓が疾うに判っている

(さいしゅうれっしゃにとびこんで)

最終列車に飛び込んで

(きてきのおとがなりひびくわ)

汽笛の音が鳴り響くわ

(ねえとうきょうぼくにもそうやって)

ねえ東京、僕にも然うやって

(かなしいくらいわらってみせて)

哀しいくらい嗤ってみせて

(ゆがんだめいくをぬぎさって)

歪んだ御化粧を脱ぎ去って

(いまかーてんこーるがまっているわ)

今、カーテンコールが待っているわ

(ああさいしゅうかいでついにぼくは)

あゝ最終回で遂に僕は

(えんたーていなーになれたのさ)

エンターテイナーに為れたのさ

(しーや)

See ya!