雲散霧消の記憶
意味なんてないです。
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問題文
(にゅうねんなしょうじゅんでそうがいのせかいをさだめると、へやにはいつもふしょうじのにおいがのこる。)
入念な照準で窓外の世界を定めると、部屋にはいつも不祥事の匂いが残る。
(あるあさ、はんにんかくていとみなされたほうこくがとどき、ふたんはしずかにおもくなった。)
ある朝、犯人確定とみなされた報告が届き、負担は静かに重くなった。
(だれかがごにょごにょつぶやくおとがとおく、そっちょくでもしょうじきでもないだんぺんだけがおちる。)
誰かがごにょごにょ呟く音が遠く、率直でも正直でもない断片だけが落ちる。
(きょうりょくのやくそくはうやむやになり、しょくよくもほんちょうしももどらない。)
協力の約束は有耶無耶になり、食欲も本調子も戻らない。
(そうさのしんちょくはおくれ、しょくしゅのちがいがひとびとのあいだにぎしんあんきをうむ。)
捜査の進捗は遅れ、職種の違いが人々の間に疑心暗鬼を生む。
(つくえのひきだしからはこんちゅうひょうほんがでてきて、)
机の引き出しからは昆虫標本が出てきて、
(ゆうびんやがおいたいっつうのふうとうがかくしょうをゆらす。)
郵便屋が置いた一通の封筒が確証を揺らす。
(それでもはくじょうをもとめるうごきはふろしきのようにひろがり、やがてうんさんむしょうする。)
それでも白状を求める動きは風呂敷のように広がり、やがて雲散霧消する。
(じょうきょうしょうこはようしょうきのきおくとかさなり、)
状況証拠は幼少期の記憶と重なり、
(くしょうやふしょくしたおもいでがふしょうのあとをいろどる。)
苦笑や腐食した思い出が負傷の跡を彩る。
(けっしょくのわるいかおでせんせんふこくめいたしょるいをながめ、ちくしょうとつぶやいてふたたびてをのばす。)
血色の悪い顔で宣戦布告めいた書類を眺め、畜生と呟いて再び手を伸ばす。
(きょうようのてぐちがうかべばほうてきこうそくりょくのもんだいがかんよをとい、)
強要の手口が浮かべば法的拘束力の問題が関与を問い、
(きょうじゅつちょうしょはしんいをさぐるどうぐになる。)
供述調書は真意を探る道具になる。
(そのかていで、むさべつにおかれたものたちがにちじょうのりんかくをすこしずつくるわせていった。)
その過程で、無差別に置かれた物たちが日常の輪郭を少しずつ狂わせていった。
(まいばん、にゅうねんなしょうじゅんのくせだけがのこり、きみょうなあんしんとふあんがこうごにくる。)
毎晩、入念な照準の癖だけが残り、奇妙な安心と不安が交互に来る。