刑法総論20ー

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1 ゆっくりしろたん 4786 B 4.9 96.9% 891.7 4405 137 83 2025/10/19

問題文

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(はんげきこういのけっかがだいさんしゃにしょうじたばあいのしょりa)

反撃行為の結果が第三者に生じた場合の処理A

(aににちりんとうでおそわれたこうが、はんげきのためにあしもとにあったいしをつかんで)

Aに日輪刀で襲われた甲が、反撃のために足元にあった石をつかんで

(aにむかってなげたところ、aのよこをあるいていたbに、ふしょうしたじあん)

Aに向かって投げたところ、Aの横を歩いていたBに、負傷した事案

(こうのこういは、bにたいするしょうがいざいのきゃっかんてきこうせいようけんをみたす。)

甲の行為は、Bに対する傷害罪の客観的構成要件を満たす。

(ではこい(38じょう1こうほんぶん)がみとめられるか。)

では故意(38条1項本文)が認められるか。

(ぐたいてきじじつのさくごとすうこいでしょり)

具体的事実の錯誤と数故意で処理

(こいのほんしつは、きはんにちょくめんしはんたいどうきのけいせいがかのうであった)

故意の本質は、規範に直面し反対動機の形成が可能であった

(にもかかわらずあえてこういにおよんだことにたいするつよいどうぎてきひなんにある。)

にもかかわらずあえて行為に及んだことに対する強い道義的非難にある。

(そうだとすれば、にんしきしていたはんざいじじつとはっせいしたはんざいじじつとが)

そうだとすれば、認識していた犯罪事実と発生した犯罪事実とが

(こうせいようけんれべるでいっちするばあいには、こいがみとめられるとかいする。)

構成要件レベルで一致する場合には、故意が認められると解する。

(よって、しょうがいざいのこいがみとめられ、どうざいのこうせいようけんにがいとうする。)

よって、傷害罪の故意が認められ、同罪の構成要件に該当する。

(では、いほうせいがそきゃくされないか。)

では、違法性が阻却されないか。

(はんげきこういのけっかがだいさんしゃにしょうじたばあいのしょりがもんだいとなる。)

反撃行為の結果が第三者に生じた場合の処理が問題となる。

(このてん、かかるばあいをせいとうぼうえいとしてしょりするせつがあるが、だいさんしゃは)

この点、かかる場合を正当防衛として処理する説があるが、第三者は

(「ふせいのしんがい」をしていないいじょう、きんきゅうひなんとしてしょりするべきとかいする。)

「不正の侵害」をしていない以上、緊急避難として処理するべきと解する。

(では、こうにきんきゅうひなん(37じょう1こうほんぶん)がせいりつするか。)

では、甲に緊急避難(37条1項本文)が成立するか。

(まず、こうはaにおそわれており「げんざいのきなん」があったといえる。)

まず、甲はAに襲われており「現在の危難」があったといえる。

(また、こうはaにおそわれたことをいしきし、これをさけようとしていたと)

また、甲はAに襲われたことを意識し、これを避けようとしていたと

(おもわれることから、ぼうえいのいしもあったといえる。)

思われることから、防衛の意思もあったといえる。

(さらに、こうはじこのせいめいをまもるためにbのしんたいをがいしており、)

さらに、甲は自己の生命を守るためにBの身体を害しており、

など

(ほうえきけんこうもみたす。したがって、ほじゅうせいがみとめられれば、)

法益権衡もみたす。したがって、補充性が認められれば、

(こうのこういはきんきゅうひなんとしていほうせいがそきゃくされる。)

甲の行為は緊急避難として違法性が阻却される。

(じしょうしんがいa)

自招侵害A

(aがbをからかったところ、これにいかったbがaになぐりかかったので)

AがBをからかったところ、これに怒ったBがAに殴りかかったので

(aがはんげきしたけっかbがふしょうしたじあん)

Aが反撃した結果Bが負傷した事案

(aのこういはしょうがいざい(204じょう)のこうせいようけんにがいとうする。)

Aの行為は傷害罪(204条)の構成要件に該当する。

(もっとも、せいとうぼうえいとしていほうせいがそきゃくされないか。)

もっとも、正当防衛として違法性が阻却されないか。

(まず、aは「きゅうはくふせいのしんがい」にたいし、「じこ・・・のけんりをぼうえいするため」)

まず、Aは「急迫不正の侵害」に対し、「自己…の権利を防衛するため」

(「やむをえず」ぼうえいしたといえ、じょうぶんじょうのようけんをみたす。)

「やむを得ず」防衛したといえ、条文上の要件をみたす。

(しかし、かかる「きゅうはくふせいのしんがい」は、aがbをからかうことにより)

しかし、かかる「急迫不正の侵害」は、AがBをからかうことにより

(みずからまねいたものである。そこで、こうしたよりじしょうしんがいにたいするはんげき)

自ら招いたものである。そこで、こうした自招侵害に対する反撃

(のばあいにも、せいとうぼうえいがせいりつするかがもんだいとなる。)

の場合にも、正当防衛が成立するかが問題となる。

(まず、いほうせいのじっしつは、しゃかいてきそうとうせいをいつだつして)

まず、違法性の実質は、社会的相当性を逸脱して

(ほうえきしんがいないしそのきけんせいをじゃっきすることにある。)

法益侵害ないしその危険性を惹起することにある。

((けっかてきむかちのみならずこういむかちにもあるとかいする)。)

(結果的無価値のみならず行為無価値にもあると解する)。

(そして、じしょうしんがいにたいするはんげきは、げんそくとして)

そして、自招侵害に対する反撃は、原則として

(しゃかいてきそうとうせいにかけるというべきである。)

社会的相当性に欠けるというべきである。

(したがって、げんそくとしてせいとうぼうえいはせいりつしないとかいする。)

したがって、原則として正当防衛は成立しないと解する。

(もっとも、あいてかたがよそういじょうにじゅうだいなほうえきをしんがいするこういを)

もっとも、相手方が予想以上に重大な法益を侵害する行為を

(してきたばあいには、れいがいてきにしゃかいてきそうとうせいがみとめられるとかいする。)

してきた場合には、例外的に社会的相当性が認められると解する。

(ほんけんではbがなぐりかかってくるこういはじゅうぶんよそうしうるといえ、)

本件ではBが殴りかかってくる行為は十分予想しうるといえ、

(これにたいするはんげきはしゃかいてきそうとうせいにかける。)

これに対する反撃は社会的相当性に欠ける。

(よってせいとうぼうえいはせいりつしない。)

よって正当防衛は成立しない。

(いじょうよりしょうがいざいがせいりつする。)

以上より傷害罪が成立する。

(りょうてきかじょうぼうえいa)

量的過剰防衛A

(bにおそわれたaがとうしょは1ぼうえいのていどのはんいないにあるはんげきを)

Bに襲われたAが当初は1防衛の程度の範囲内にある反撃を

(おこなったが、あいてがたのしんがいがやんだのに、2なおそれまでとどうようの)

行ったが、相手方の侵害が止んだのに、2なおそれまでと同様の

(はんげきをつづけ、bにしょうがいけっかがはっせいしたじあん)

反撃を続け、Bに傷害結果が発生した事案

(ほんけんで、aのこういを1と2にぶんだんしてとらえれば、aの1のこういは)

本件で、Aの行為をとに分断して捉えれば、Aのの行為は

(しょうがいざいのこうせいようけんにがいとうするもののせいとうぼうえいとして)

傷害罪の構成要件に該当するものの正当防衛として

(いほうせいがそきゃくされる。そして2のこういは、しょうがいざいがせいりつし、)

違法性が阻却される。そして2の行為は、傷害罪が成立し、

(きゅうはくふせいのしんがいがしゅうりょうしているいじょう、)

急迫不正の侵害が終了している以上、

(かじょうぼうえい(36じょう2こう)にすらならないことになる。)

過剰防衛(36条2項)にすらならないことになる。

(たほう、aのこういを1こととらえれば、しょうがいざいがせいりつしたうえで、)

他方、Aの行為を1個と捉えれば、傷害罪が成立した上で、

(ぜんたいとしてかじょうぼうえいとなる。では、aのこういをいかにとらえるべきか。)

全体として過剰防衛となる。では、Aの行為をいかに捉えるべきか。

(このてん、1だい2こういのじてんで、とうしょのぼうえいのいしがけいぞくしていたか、)

この点、1第2行為の時点で、当初の防衛の意思が継続していたか、

(それとももっぱらこうげきのいしだったのか、)

それとももっぱら攻撃の意思だったのか、

(2こういしゃが、ひがいしゃがさらなるしんがいこういにでるかのうせいがないことを)

2行為者が、被害者がさらなる侵害行為にでる可能性がないことを

(にんしきしていたかいなか、3だい2こういのたいようていどなどをそうごうてきにこうりょして、)

認識していたか否か、3第2行為の態様・程度等を総合的に考慮して、

(こういをぶんだんしてとらえるべきか、それともぜんたいとして1このこういと)

行為を分断して捉えるべきか、それとも全体として1個の行為と

(とらえるべきかをはんだんするべきである。)

捉えるべきかを判断するべきである。

(きんきゅうひなんのほうてきせいしつa)

緊急避難の法的性質A

(aにおそわれたbがこうをつきたおしてにげようとしたところ、)

Aに襲われたBが甲を突き倒して逃げようとしたところ、

(こうがbにはんげきししょうがいをおわせたが、bのこういが)

甲がBに反撃し傷害を負わせたが、Bの行為が

(きんきゅうひなんのようけんをみたしていたばあいのこうのざいせき)

緊急避難の要件をみたしていた場合の甲の罪責

(こうのこういは、しょうがいざい(204じょう)のこうせいようけんにがいとうする。)

甲の行為は、傷害罪(204条)の構成要件に該当する。

(もっとも、せいとうぼうえいによりいほうせいがそきゃくされないか。)

もっとも、正当防衛により違法性が阻却されないか。

(bのこうにたいするきんきゅうひなん(37じょう1こうほんぶん)が)

Bの甲に対する緊急避難(37条1項本文)が

(「ふせい」のしんがいといえるかが、きんきゅうひなんのほうてきせいしつを)

「不正」の侵害と言えるかが、緊急避難の法的性質を

(いかにかいするかとかんれんしてもんだいとなる。)

いかに解するかと関連して問題となる。

(このてん、きんきゅうひなんはきたいかのうせいにかけるばあいであるとして、)

この点、緊急避難は期待可能性に欠ける場合であるとして、

(せきにんそきゃくじゆうであるとするけんかいがある。)

責任阻却事由であるとする見解がある。

(このけんかいからは、bのこういは「ふせい」であることとなろう。)

この見解からは、Bの行為は「不正」であることとなろう。

(しかし、「たにん」のほうえきをまもるためのきんきゅうひなんについて、)

しかし、「他人」の法益を守るための緊急避難について、

(きたいかのうせいにかけるとはいえない。したがって、)

期待可能性に欠けるとはいえない。したがって、

(せきにんそきゃくじゆうとかいするのはだとうではない。)

責任阻却事由と解するのは妥当ではない。

(そもそも、いほうせいをそきゃくするこんきょはこういのしゃかいてきそうとうせいにあると)

そもそも、違法性を阻却する根拠は行為の社会的相当性にあると

(かいされるところ、きんきゅうひなんはしゃかいてきにそうとうなこういといえる。)

解されるところ、緊急避難は社会的に相当な行為といえる。

(よって、きんきゅうひなんはいほうせいそきゃくじゆうであるとかいする。)

よって、緊急避難は違法性阻却事由であると解する。

(したがって、bのこうにたいするきんきゅうひなんこういは)

したがって、Bの甲に対する緊急避難行為は

(「ふせい」のしんがいとはいえず、こうにせいとうぼうえいはせいりつしない。)

「不正」の侵害とはいえず、甲に正当防衛は成立しない。

(よって、こうがきんきゅうひなんのようけんをぐびしないかぎり、)

よって、甲が緊急避難の要件を具備しない限り、

(しょうがいざいがせいりつする。)

傷害罪が成立する。

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