追憶

(かぜかおるなみきのなかをかけるような)

風薫る並木の中を駆ける様な

(おもいでのひとつひとつを)

思い出のひとつひとつを

(ぼくはひろいあつめている)

僕は拾い集めている

(めをとじていきをすいこむ)

目を閉じて息を吸い込む

(ふかく、ながく)

深く、長く

(ついおくのむこうがわへ)

追憶の向こう側へ

(ぼくはそらをあおぐ)

僕は空を仰ぐ

(きみはもうここにはいないと)

君はもうここには居ないと

(ほんとはしっていて)

ほんとは知っていて

(だけど、ねえもうすこしだけ)

だけど、ねえもう少しだけ

(おもいでにひたらせて)

思い出に浸らせて

(ほほをつたうなみだおちてひかる)

頬を伝う涙落ちて光る

(ねえ、だれもかれもこどくのなかで)

ねえ、誰も彼も孤独の中で

(きょうもいきをはいて)

今日も息を吐いて

(きずつけあって、なぐさめあって)

傷付け合って、慰め合って

(あたためあいましょう)

暖め合いましょう

(いまもひとみのおくにやきついたまま)

今も瞳の奥に焼き付いたまま

(まだはなれないの)

まだ離れないの

(りょうてでふさいで、おおいかくして)

両手で塞いで、覆い隠して

(わすれるひがくるから)

忘れる日が来るから

(こもれびがさすこうえんにすわりこんで)

木漏れ日が射す公園に座り込んで

(きみのいないひだりがわにふいにかぜがふいた)

君の居ない左側に不意に風が吹いた

(いつもむりしてわらっていたあのひのよこがおや)

いつも無理して笑っていたあの日の横顔や

(あめのひになみだをかくしたあのひのよこがおが)

雨の日に涙を隠したあの日の横顔が

(ひどくむねをしめつけては)

酷く胸を締め付けては

(くるしくて、くるしくて、まぶたとじた)

苦しくて、苦しくて、瞼閉じた

(ねえ、きみはいつもこどくのなかで)

ねえ、君はいつも孤独の中で

(ぜんぶしらないふり)

全部知らないフリ

(ぼくをまもって、きずつけられて)

僕を守って、傷付けられて

(わらっていたんだろう)

笑っていたんだろう

(たがいをみとめあってわかりあえてた)

互いを認め合って分かり合えてた

(そんなかってなことしったきになって、)

そんな勝手なこと知った気になって、

(かってにいきてくるしめてたっていま、おもうんだ)

勝手に生きて苦しめてたって今、思うんだ

(ときはいまもながれぼくはきみをおもう)

時は今も流れ僕は君を想う

(たいせつさをつたえたかった)

大切さを伝えたかった

(ねえ、きみはいつかどこか)

ねえ、君はいつか何処か

(だれかをきっとすきになって)

誰かをきっと好きになって

(おとなになって、たにんになって)

大人になって、他人になって

(うすれていくだろう)

薄れていくだろう

(ぼくはもうすこしきみをわすれるのには)

僕はもう少し君を忘れるのには

(まだかかりそうで)

まだかかりそうで

(あいかわらずのあいそわらいで)

相変わらずの愛想笑いで

(ごまかしてばかりなんだ)

誤魔化してばかりなんだ

(ねえ、だれもかれもこどくのなかで)

ねえ、誰も彼も孤独の中で

(きょうもいきをはいて)

今日も息を吐いて

(きずつけあって、なぐさめあって)

傷付け合って、慰め合って

(あたためあいましょう)

暖め合いましょう

(いまもひとみのおくにやきついたまま)

今も瞳の奥に焼き付いたまま

(まだはなれないの)

まだ離れないの

(りょうてでふさいで、おおいかくして)

両手で塞いで、覆い隠して

(わすれるひがくるから)

忘れる日が来るから