郷愁の空

(みちばたにめぶくしんりょくが)

道端に芽吹く新緑が

(はをとじておとずれるゆうぐれ)

葉を閉じて訪る夕暮れ

(ひとつふたつあかり、ともり)

一つ二つ灯、燈り

(まきのもえるかおりがした)

薪の燃える薫りがした

(このまちにわかれをつげた)

この町に別れを告げた

(あのひからどれだけすぎたろう)

あの日からどれだけ過ぎたろう

(すこしだけどかおをあげてあるいてみるくらいみちを)

少しだけど顔を上げて歩いてみる暗い道を

(いつもどこかでつかえていて)

いつも何処かでつかえていて

(なにかをおそれていて)

何かを怖れていて

(そうねむねのおくでよんだふるさとを)

そうね胸の奥で呼んだ故郷を

(みんな、まよいのなかでひかりをさがしあるきつかれて)

皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて

(ふいにすべてがいやになってしまいたちどまる)

不意に全てが嫌になってしまい立ち止まる

(そしてかえるばしょを)

そして帰る場所を

(もとめるのだとだれかがいった)

求めるのだと誰かが言った

(そんなきがしてみあげるのはとかいのよぞら)

そんな気がして見上げるのは都会の夜空

(しずけさのなかでたたずんだ)

静けさの中で佇んだ

(おもいだすたくさんのひびも)

思い出す沢山の日々も

(いまになってふりかえれば)

今になって振り返れば

(かかすことのできないかこ)

欠かすことの出来ない過去

(にどとかえらないとちかった)

二度と帰らないと誓った

(あのひからどれだけすぎたろう)

あの日からどれだけ過ぎたろう

(いつのまにかとしをとって)

いつの間にか歳をとって

(こぼれおちた「ごめんなさい」)

零れ落ちた「ごめんなさい」

(いつもとおくできこえていた)

いつも遠くで聴こえていた

(ひぐれのかねのねだ)

日暮れの鐘の音だ

(やっとくちにだしていえた)

やっと口に出して言えた

(「ありがとう」)

「ありがとう」

(みんな、まよいのなかでひかりをさがしあるきつかれて)

皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて

(ふいにすべてがいやになってしまいたちどまる)

不意に全てが嫌になってしまい立ち止まる

(そしてかえるばしょを)

そして帰る場所を

(もとめるのだとだれかがいった)

求めるのだと誰かが言った

(そんなきがしてみあげるそらのかなた)

そんな気がして見上げる空の彼方

(きっとあすはくると、)

きっと明日は来ると、

(みらいはあるとしんじてみよう)

未来は在ると信じてみよう

(たとえちいさなほはばでさえかくじつにすすむ)

例え小さな歩幅でさえ確実に進む

(そしていつのひにかむねをはって)

そしていつの日にか胸を張って

(だれかのためにりょうてひろげてむかえるのさ)

誰かの為に両手広げて迎えるのさ

(「おかえりなさい」)

「おかえりなさい」