10年後の私になら

(とまれとささやくしんごう)

「止まれ」と囁く信号

(すこしみじかいひこうきぐも)

少し短い飛行機雲

(わたしたちどこまでだったら)

私たちどこまでだったら

(だらりとあるいていける)

だらりと歩いていける？

(いつまでもわらっていられる)

いつまでも笑っていられる

(わけじゃないこともわかっている)

訳じゃないことも分かっている

(うまくおとなになれるのかな)

うまく大人になれるのかな

(なんかいやだな)

なんか嫌だな

(でんしゃのまどすぎるまちも)

電車の窓　過ぎる街も

(いろあせていくきがして)

色褪せていく気がして

(わすれられるわけないってこと)

忘れられるわけないってこと

(たくさんあったはずなのに)

沢山あったはずなのに

(ふりかえればなにがそこにあったんだろう)

振り返れば何がそこにあったんだろう

(かならずまたあえるよねと)

必ずまた会えるよねと

(つよくねがったはずなのに)

強く願ったはずなのに

(おもいだせばだれがそこにいたんだろう)

思い出せば誰がそこにいたんだろう

(もういいやいみなんかないんでしょ)

もういいや　意味なんかないんでしょ

(ほんのすうぎょうのことばだけで)

ほんの数行の言葉だけで

(なにがわかるんだろ)

「何が分かるんだろ」

(ぐちはのんでえがおつくってんだ)

愚痴は飲んで　笑顔作ってんだ

(いみなんかないんだよ)

意味なんかないんだよ

(うわっつらだけのいまをなんとかすすもうとしてるよ)

上っ面だけの今を　なんとか進もうとしてるよ

(そうたよりないこのあしで)

そう　頼りないこの足で

(ひとりとりのこされてるような)

一人取り残されてるような

(かんかくがきえなくなってく)

感覚が消えなくなってく

(じしんなんてこれっぽっちももっていないんだよ)

自信なんてこれっぽっちも　持っていないんだよ

(あかりのないへやのすみできづけばよがふけてく)

灯りのない部屋の隅で　気づけば夜が更けてく

(きたいにむねをおどらせてここにきたはずなのに)

期待に胸を躍らせて　ここに来たはずなのに

(きゅうにこわくなってしまうのはねぇどうして)

急に怖くなってしまうのは　ねぇどうして

(あのひとみたいになれたらな)

「あの人みたいになれたらな」

(あこがれたはずなのに)

憧れたはずなのに

(かわりたくないっておもうのはねぇどうして)

変わりたくないって思うのは　ねぇどうして

(あぁまだずるいままなんでしょ)

あぁまだ　ずるいままなんでしょ

(にげだしたくてたまらないって)

逃げ出したくてたまらないって

(なにがしたいのかもわからないし)

何がしたいのかも分からないし

(どこへむかえばいい)

どこへ向かえばいい

(よわいままなんだよ)

弱いままなんだよ

(じぶんでいられるりゆうをなんとかさがそうとしてるよ)

自分でいられる理由を　なんとか探そうとしてるよ

(そうふるえるこのこえで)

そう　震えるこの声で

(ひとのかちなんて)

人の価値なんて

(ひとにわかるわけないのにな)

他人に分かるわけないのにな

(うまくわたれないよのなか)

上手く渡れない世の中

(じゃあもういらないこになってしまうのあぁ)

じゃあもう要らない子になってしまうの？　あぁ

(１０ねんごのわたしにならこのこたえがわかるかな)

10年後の私になら　この答えが分かるかな

(つらくてないてしまいそうな)

辛くて泣いてしまいそうな

(いまのわたしをわらってよ)

今の私を　笑ってよ

(つよくなれないのはじぶんのせいなんかじゃきっとなくて)

強くなれないのは　自分のせいなんかじゃきっとなくて

(なげすてたいふあんも)

投げ捨てたい不安も

(いまはかかえきれなくたっていい)

今は抱えきれなくたっていい

(このあしじゃまだはしれないかもそれでも)

この足じゃまだ走れないかも　それでも

(なんとかあるこうとしてるよ)

なんとか歩こうとしてるよ

(そうわたしがえらんだわたしは)

そう　私が選んだ私は