CQCQ

(むずかしいかんじょうだった)

難しい感情だった

(はじめはひとをうらんだ)

始めは人を恨んだ

(それからふこうをいのっていた)

それから不幸を祈っていた

(ゆるされるだなんておもっちゃいない)

許されるだなんて思っちゃいない

(はずかしいどくもはいた)

恥ずかしい毒も吐いた

(つづけてひとをひぼうした)

続けて人を誹謗した

(どこからじぶんをうしなっていた)

どこから自分を失っていた

(あざわれるくらいにくさっていた)

嘲笑われるくらいに腐っていた

(あとにくやむことがないのなら)

後に悔やむことがないのなら

(あとでくやむとかきはしないと)

後で悔やむと書きはしないと

(ふがいないこうかいのたびじをつづっている)

不甲斐ない航海の旅路を綴っている

(どうかどうしたってなれない)

どうか　どうしたってなれない

(ゆめばっかをえらんで)

夢ばっかを選んで

(どうになってならないうそなんかついて)

どうになってならない嘘なんかついて

(かいかぶったふかんぜんなちんぼつせんをすくってよ)

買い被った不完全な沈没船を救ってよ

(どうかもうおわってしまったんだって)

どうか　もう終わってしまったんだって

(いのちをなげすて)

生命を投げ捨て

(もうやだってほほをつたったそうなんしんごうに)

もうやだって頬を伝った遭難信号に

(きづいてあいずした)

気づいて合図した

(ｃｑｃｑきこえますか)

CQCQ聞こえますか

(かなわないかんじょうだった)

叶わない感情だった

(うけるべきてんばつなんだ)

受けるべき天罰なんだ

(それくらいひとをけおとしてきて)

それくらい人を蹴落としてきて

(どうじょうひとつさえもかいていた)

同情のひとつさえも欠いていた

(ひとりこえにだしてしまった)

ひとり声に出してしまった

(あなたいがいはもうどうなってもいい)

あなた以外はもうどうなってもいい

(それいじょうのこえをおしこんでいた)

それ以上の声を押し込んでいた

(むねのおくがはりさけてしまうから)

胸の奥が張り裂けてしまうから

(あすはあすでうわがきできると)

明日は明日で上書きできると

(きょうをどぶにすてたきょうでした)

今日をドブに捨てた今日でした

(あれくるうぎゃくふうに)

荒れ狂う逆風に

(みらいはふきとんだ)

未来は吹き飛んだ

(こうしてどうあがいたってまえむいたって)

こうして　どう足掻いて前向いたって

(ゆめはとうざかった)

夢は遠ざかった

(どうあがいてほをはったって)

どう足掻いて帆を張ったって

(うそにしかみえなくて)

嘘にしか見えなくて

(ゆーとぴあとめいめいしたゆうれいせんは)

ユートピアと命名した幽霊船は

(しずんでいくそうして)

沈んでいく　そうして

(もうおわってしまったんだって)

もう終わってしまったんだって

(いのちをなげすて)

生命を投げ捨て

(もういやだってほほをつたったそうなんしんごうに)

もう嫌だって頬を伝った遭難信号に

(きづいておっことしたほんとうのじぶん)

気づいて落っことした本当の自分

(ふいについにきえかけた)

ふいについに消えかけた

(ｃｑｃｑきこえますか)

CQCQ聞こえますか