少女漫画少年漫画

(きょうしつには３４のかたまりが)

教室には３４の塊が

(３４のてつがくをもてあましている)

３４の哲学を持て余している

(ｃｄやえいがやまんがをかしあって)

CDや映画や漫画を貸しあって

(おんなじたましいさがしてる)

おんなじ魂探してる

(おんなじすうじやいろをみつけては)

おんなじ数字や色をみつけては

(ばばぬきみたいにげこうする)

ババ抜きみたいに下校する

(ぼくのかーどはなんたってじょーかーで)

ぼくのカードはなんたってジョーカーで

(とてもつよくて)

とても強くて

(とてもさびしい)

とても寂しい

(となりのくらすのたんにんは)

隣のクラスの担任は

(のろいのびでおをばかにして)

呪いのビデオを馬鹿にして

(じょうはんしんはびじゅつしつのせっこうぞうに)

上半身は美術室の石膏像に

(かはんしんはりかしつのもけいのなかに)

下○身は理科室の模型のなかに

(となりのとなりのくらすのたんにんとのこどもをやどしたせいとかいちょう)

隣の隣のクラスの担任との子供を宿した生徒会長

(わたしたちはたましいをむさぼりあうようにあいしあいました)

私たちは魂を貪りあうように愛しあいました

(ちょうれいでふたりはきすをした)

朝礼でふたりはキスをした

(ふたりはきずだらけ)

ふたりはキズだらけ

(ふたりはきすをした)

ふたりはキスをした

(しょうじょまんがしょうねんまんが)

少女漫画少年漫画

(ぼくのぼくの)

ぼくのぼくの

(せいしゅんはどこ)

青春はどこ

(しょうじょまんがしょうねんまんが)

少女漫画少年漫画

(ぼくときみのあいは)

ぼくときみの愛は

(たぶんきたない)

たぶん汚い

(きょうしつには３４のかたまりが)

教室には３４の塊が

(３４ぶんの１かける３４のたましいが)

３４分の１かける３４の魂が

(だしぬかないようにみはりあって)

出し抜かないように見張りあって

(そとのせかいをこばんでいる)

外の世界を拒んでいる

(こゆびだけをつないだままちゅうおうせん)

小指だけを繋いだまま中央線

(どこへだっていけるよとしゅうちゃくえき)

どこへだって行けるよと終着駅

(すでにだれかがふみつぶしたあすがころがって)

既にだれかが踏み潰した明日が転がって

(ぼくらはつかいふるしのあすをいきる)

ぼくらは使い古しの明日を生きる

(まほうはきかない)

魔法は効かない

(のろいはとけない)

呪いは解けない

(すべてのきせつにつばをはく)

すべての季節につばを吐く

(しょうじょまんがしょうねんまんが)

少女漫画少年漫画

(ぼくはぼくのしろいはるをしろいかみにえがいていく)

ぼくはぼくの白い春を白い紙に描いていく

(なにものこらないだれもしらない)

何も残らない誰も知らない

(しょうじょまんがしょうねんまんが)

少女漫画少年漫画

(ぼくのぼくの)

ぼくのぼくの

(せいしゅんはどこ)

青春はどこ

(しょうじょまんがしょうねんまんが)

少女漫画少年漫画

(ぼくときみのあいはとてもとうとい)

ぼくときみの愛はとても尊い

(ぼくのだいじな３４にんのせいとたちが)

ぼくの大事な３４人の生徒たちが

(ぼくのひととしてのみじゅくさをみつけないように)

ぼくの人としての未熟さを見つけないように

(ぼくはいつもだれかのうたをうたうだけ)

ぼくはいつも誰かの歌を歌うだけ

(ぼくはいつもぼくのあいはうたわない)

ぼくはいつもぼくの愛は歌わない