初恋

(こんなかたちであなたにあうなんて)

こんなカタチであなたに遭うなんて

(おもいもしなかった・・・びでおはまわる)

思いもしなかった　…ビデオは回る

(わすれかけていたえがおは)

忘れかけていた笑顔は

(こおりついたまま)

凍りついたまま

(あれからろくねんのつきひがながれさって)

あれから　六年の月日が流れ去って

(ふたりともよけいにせいちょうしたはずなのに)

二人とも余計にセイチョウしたはずなのに

(どうしていまだにあなたはせいふくのままで)

どうして　いまだにあなたは制服のままで

(そのうえしばられているのだろう？)

そのうえ　縛られているのだろう？

(かめらにむけたあなたのまなざしは)

カメラに向けたあなたの眼差しは

(ぼくのつみをあばくかのようで)

僕の罪を暴くかのようで

(くりひろげられるさんげきも)

繰り広げられる惨劇も

(どこかとおいせかいのできごと)

どこか遠い世界の出来事

(にーどるやもろもろのせんれいに)

ニードルや諸々の洗礼に

(あかやこんじきのげきりゅうがきおくのあなたをおしながす)

紅や金色の激流が記憶のあなたを押し流す

(そのしゅんかんにじじつじょう、)

その瞬間に事実上、

(あなたはしんでしまった。と)

あなたは死んでしまった。と

(おもいしらされてく・・・びでおはまわる)

思い知らされてく　…ビデオは回る

(もう、うごくことのないじゅうは)

もう､動くことの無い銃は

(あなたのちにさびついてくさりおちる)

あなたの血に錆付いて腐りおちる

(あくるあさあなたはおもいたつ)

あくる朝あなたは思い起つ

(ここではないどこかとおいばしょへ)

ここではない　どこか遠い場所へ

(とべたらいいなと)

翔べたらいいなと

(ついおくもかんしょうもなにもない)

追憶も　感傷も　何も無い

(うわがきされたきおくがけせるなら)

上書きされた記憶が消せるなら

(ためらわずいっぽまえへ)

ためらわず一歩前へ

(たよりをはこんだこのかぜはもしかしたら)

便りを運んだこの風は　もしかしたら

(ろぼうのはなたばをふきわたってきたのかも)

路傍の花束を吹き渡ってきたのかも

(それからろくねんのつきひがさらにめぐり)

それから　六年の月日が更に廻り

(いまことばのなかにあなたをのこす)

今　言葉の中にあなたを遺す