盗人シンデレラ

(かぼちゃのばしゃはゆめのゆめ)

カボチャの馬車は夢の夢

(めがさめればたいくつなひび)

目が覚めれば退屈な日々

(ままははからはきらわれて)

継母からは嫌われて

(まいにちたいるのゆかみがいてばかり)

毎日タイルの床磨いてばかり

(ついできごころでしぶやのすとあから)

つい出来心で渋谷のストアから

(くちべにをもちだしてみたら)

口紅を持ち出してみたら

(おもったよりずっとたやすくて)

思ったよりずっと容易くて

(わたしのなにかがこわれてゆくおとがしたの)

私の何かが壊れてゆく音がしたの

(てをのばせばひびくしなぷすぽけっとにはきらめくたからもの)

手を伸ばせば響くシナプスポケットにはきらめく宝物

(みたされないこころがうずきこきゅうのようにくせになってゆく)

満たされない心が疼き呼吸のように癖になってゆく

(ああかみさまみつめないで)

ああ神様見つめないで

(ほかのどんなげーむだってこのすりるはあじわえないわ)

他のどんなゲームだってこのスリルは味わえないわ

(あわいもらるとひきかえに)

淡いモラルと引き換えに

(きゅうにふえたあくせやこすめ)

急に増えたアクセやコスメ

(おしゃれをしたらきもまぎれ)

お洒落をしたら気も紛れ

(じぶんがかわいいとおもえてきたんだ)

自分が可愛いと思えてきたんだ

(くりかえすたびにけらくもしげきも)

繰り返すたびに快楽も刺激も

(ざいあくかんもうすくなって)

罪悪感も薄くなって

(ふぇいんとであそぶときもあるわ)

フェイントで遊ぶ時もあるわ

(とうていだれにもつかまえられやしないのよ)

到底誰にも捕まえられやしないのよ

(まちはわたしのくろーぜっと)

街は私のクローゼット

(すきなだけすきなものてにいれて)

好きなだけ好きなもの手に入れて

(だれもむかえにこないのならじぶんでまほうをかけてやる)

誰も迎えに来ないのなら自分で魔法をかけてやる

(ああかなしきおひめさまはひとりきりでぶとうかいへ)

ああ哀しきお姫様はひとりきりで舞踏会へ

(つきあかりがはかなくてらす)

月明かりが儚く照らす

(かわいそうなしんでれらはよごれたてできかざるの)

可哀想なシンデレラは汚れた手で着飾るの

(あるひしくじったとりそこねたから)

ある日しくじった盗り損ねたから

(おおきなべるがなりわたって)

大きなベルが鳴りわたって

(わんしょうをつけたおうじさまが)

腕章を着けた王子様が

(わたしをもとめてしろのそとへおいかけるわ)

私を求めて城の外へ追いかけるわ

(てをのばせばひびくしなぷすはいかぶりはかいだんかけおりる)

手を伸ばせば響くシナプス灰かぶりは階段駆け下りる

(あのしょうねんのけいこくさえはんすうするにはとおすぎて)

あの少年の警告さえ反芻するには遠すぎて

(まちはわたしのくろーぜっと)

街は私のクローゼット

(すきなだけすきなものてにいれて)

好きなだけ好きなもの手に入れて

(むくいをうけるときなのでしょう)

報いを受ける時なのでしょう

(もうどこにもにげられはしない)

もう何処にも逃げられはしない

(ああこれはてんばつかもね)

ああこれは天罰かもね

(あらわれたまほうつかいはがらすのくつはかせてくれた)

現れた魔法使いはガラスの靴履カセテクレタ