小説長文10! 第七話
サバイバル小説系です!「NØWHERE」第七話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
画像協力者:AI(光の演出、衣装)
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問題文
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(たてもののしょうめいがきえたまま、おれたちはあいざわれんをみつめていた。)
建物の照明が消えたまま、俺たちは相沢蓮を見つめていた。
(「ようやく、きたかって......どういういみだ?」)
「ようやく、来たかって......どういう意味だ?」
(おれがたずねると、れんはつくえのうえにおいてあったふるいたんまつをきどうした。)
俺が尋ねると、蓮は机の上に置いてあった古い端末を起動した。
(「おまえたちにみせたいものがある。」)
「お前たちに見せたいものがある。」
(がめんには、よにんぶんのなまえがひょうじされていた。)
画面には、四人分の名前が表示されていた。
(「だいいちかんさつたいしょう:たかせそうま」)
「第一観察対象:高瀬蒼真」
(「だいにかんさつたいしょう:くろせあおい」)
「第二観察対象:黒瀬葵」
(「だいさんかんさつたいしょう:くせゆうま」)
「第三観察対象:久瀬悠真」
(「だいよんかんさつたいしょう:あいざわれん」)
「第四観察対象:相沢蓮」
(「おれたちのなまえ......。」)
「俺たちの名前......。」
(あおいがちいさくつぶやく。)
葵が小さく呟く。
(「そうだ。おれもおまえたちとおなじ、このまちのかんさつたいしょうだ。」)
「そうだ。俺もお前たちと同じ、この街の観察対象だ。」
(「じゃあ、にしゅうかんまえからここにいたのも?」)
「じゃあ、二週間前からここにいたのも?」
(「ああ。ただ、おれはおまえたちよりさきに、このまちのしくみをしらべていた。」)
「ああ。ただ、俺はお前たちより先に、この街の仕組みを調べていた。」
(れんはたんまつをそうさし、べつのがめんをひょうじした。)
蓮は端末を操作し、別の画面を表示した。
(そこには、まちぜんたいのこうぞうをしめしたりったいずがうつしだされていた。)
そこには、街全体の構造を示した立体図が映し出されていた。
(「このまちは、ふつうのとしじゃない。)
「この街は、普通の都市じゃない。
(にんげんのきおくやこうどうをきろくするためにつくられた、きょだいなじっけんしせつなんだ。」)
人間の記憶や行動を記録するために作られた、巨大な実験施設なんだ。」
(「じっけんしせつ......?」)
「実験施設......?」
(ゆうまがききかえす。)
悠真が聞き返す。
など
(「まちのたてものもどうろも、すべてかんりしすてむによってせいぎょされている。)
「街の建物も道路も、すべて管理システムによって制御されている。
(しょくりょうになまえがかかれていたのも、)
食料に名前が書かれていたのも、
(おれたちのこのみがきろくされていたのも、そのためだ。」)
俺たちの好みが記録されていたのも、そのためだ。」
(おれはだい4わでみたかんしもにたーをおもいだした。)
俺は第4話で見た監視モニターを思い出した。
(「じゃあ、あのかげのないひとかげも?」)
「じゃあ、あの影のない人影も?」
(「あれはかんりしすてむがうごかしているかんしようのそんざいだ。)
「あれは管理システムが動かしている監視用の存在だ。
(やかんにきそくをやぶったにんげんがいないかかくにんしている。」)
夜間に規則を破った人間がいないか確認している。」
(これまでのできごとが、すこしずつつながっていく。)
これまでの出来事が、少しずつつながっていく。
(「でも、どうしておれたちをこんなばしょにとじこめるひつようがあるんだ?」)
「でも、どうして俺たちをこんな場所に閉じ込める必要があるんだ?」
(おれのしつもんに、れんはいちどしせんをおとした。)
俺の質問に、蓮は一度視線を落とした。
(「それが、おれにもわからない。」)
「それが、俺にも分からない。」
(「わからないって......。」)
「分からないって......。」
(「きろくをしらべても、じっけんのもくてきだけがけされているんだ。」)
「記録を調べても、実験の目的だけが消されているんだ。」
(れんはがめんをきりかえた。)
蓮は画面を切り替えた。
(そこには、いままでみたことのないえいぞうがうつっていた。)
そこには、今まで見たことのない映像が映っていた。
(とけいとうのないぶだった。)
時計塔の内部だった。
(ちゅうおうにはきょだいなそうちがあり、そのしゅういにはむすうのがめんがならんでいる。)
中央には巨大な装置があり、その周囲には無数の画面が並んでいる。
(「まちのすべてをかんりしているちゅうすうそうちだ。)
「街のすべてを管理している中枢装置だ。
(あそこに、このまちのきろくがほぞんされている。」)
あそこに、この街の記録が保存されている。」
(「それなら、そこへいけばだっしゅつできるんじゃないか?」)
「それなら、そこへ行けば脱出できるんじゃないか?」
(ゆうまがたずねる。)
悠真が尋ねる。
(「かのうせいはある。でも、もんだいがある。」)
「可能性はある。でも、問題がある。」
(「なに?」)
「何?」
(「とけいとうのないぶへはいるには、よにんぜんいんのにんしょうがひつようなんだ。」)
「時計塔の内部へ入るには、四人全員の認証が必要なんだ。」
(おれたちはたがいのかおをみあわせた。)
俺たちは互いの顔を見合わせた。
(「よにんって......おれたちのことか。」)
「四人って......俺たちのことか。」
(「そうだ。よにんがそろってはじめて、さいしんぶへのとびらがひらく。」)
「そうだ。四人が揃って初めて、最深部への扉が開く。」
(そのとき、たんまつからけいこくおんがなった。)
その時、端末から警告音が鳴った。
(「としさいこうせいまで、のこりさんじかん。」)
「都市再構成まで、残り三時間。」
(がめんのはしに、あかいすうじがひょうじされる。)
画面の端に、赤い数字が表示される。
(「さんじかんしかないのか?」)
「三時間しかないのか?」
(「さいこうせいがはじまれば、いまいるくいきもけされる。)
「再構成が始まれば、今いる区域も消される。
(つぎにどこへいどうさせられるかはわからない。」)
次にどこへ移動させられるかは分からない。」
(れんがたちあがった。)
蓮が立ち上がった。
(「だから、こんやのうちにとけいとうへむかう。」)
「だから、今夜のうちに時計塔へ向かう。」
(おれたちはいそいでひつようなにもつをまとめた。)
俺たちは急いで必要な荷物をまとめた。
(たてものをでると、まちのけしきはさらにかわっていた。)
建物を出ると、街の景色はさらに変わっていた。
(とおくのびるはりんかくをうしない、どうろのいちぶはしろいくうかんにおきかわっている。)
遠くのビルは輪郭を失い、道路の一部は白い空間に置き換わっている。
(そのとき、おれのすまーとふぉんがふるえた。)
その時、俺のスマートフォンが震えた。
(がめんには、かんりしすてむからのあたらしいつうちがとどいていた。)
画面には、管理システムからの新しい通知が届いていた。
(「だいよんかんさつたいしょうのじょうほうをこうしんしました。」)
「第四観察対象の情報を更新しました。」
(つづいて、れんのなまえのしたにみなれないぶんしょうがひょうじされる。)
続いて、蓮の名前の下に見慣れない文章が表示される。
(「あいざわれん:かんりけんげんほゆうしゃ」)
「相沢蓮:管理権限保有者」
(「......かんりけんげん?」)
「......管理権限?」
(おれががめんをみせると、れんのひょうじょうがかわった。)
俺が画面を見せると、蓮の表情が変わった。
(「そんなはずはない。」)
「そんなはずはない。」
(れんはすまーとふぉんをとりだし、じぶんのがめんをかくにんした。)
蓮はスマートフォンを取り出し、自分の画面を確認した。
(そこには、おれたちにはひょうじされていないべつのつうちがあった。)
そこには、俺たちには表示されていない別の通知があった。
(「かんさつたいしょうよんめいのしゅうごうをかくにん。」)
「観察対象四名の集合を確認。」
(「さいしゅうだんかいへのいこうをかいしします。」)
「最終段階への移行を開始します。」
(ちょくご、まちじゅうのすぴーかーがいっせいにさどうした。)
直後、街中のスピーカーが一斉に作動した。
(「ようこそ、だいよんだんかいへ。」)
「ようこそ、第四段階へ。」
(きかいおんせいがまちぜんたいにひびきわたる。)
機械音声が街全体に響き渡る。
(「これより、さいしゅうかんさつをかいしします。」)
「これより、最終観察を開始します。」
(れんはなにもいわなかった。)
蓮は何も言わなかった。
(ただ、がめんをみつめたままたちつくしていた。)
ただ、画面を見つめたまま立ち尽くしていた。
(そして、おれたちのすまーとふぉんに、さいごのつうちがとどいた。)
そして、俺たちのスマートフォンに、最後の通知が届いた。
(「とけいとうへのにゅうじょうをきょかします。」)
「時計塔への入場を許可します。」
(「ただし、でぐちがひらかれるのは、)
「ただし、出口が開かれるのは、
(よんめいのうちいちめいがさいしゅうにんしょうをかんりょうしたばあいにかぎります。」)
四名のうち一名が最終認証を完了した場合に限ります。」
(おれはおもわずかおをあげた。)
俺は思わず顔を上げた。
(よにんぜんいんでなければとびらがひらかないはずなのに、)
四人全員でなければ扉が開かないはずなのに、
(こんどはひとりだけがにんしょうをかんりょうすればいいという。)
今度は一人だけが認証を完了すればいいという。
(なにがほんとうなのかわからない。)
何が本当なのか分からない。
(すると、れんがしずかにくちをひらいた。)
すると、蓮が静かに口を開いた。
(「......やっぱり、そういうことか。」)
「......やっぱり、そういうことか。」
(そのひょうじょうには、はじめてみるほどのきんちょうがうかんでいた。)
その表情には、初めて見るほどの緊張が浮かんでいた。
(おれたちはまだしらなかった。)
俺たちはまだ知らなかった。
(このまちのほんとうのもくてきが、たんににんげんをかんさつすることではないということを。)
この街の本当の目的が、単に人間を観察することではないということを。