音のカイブツ/そらる

(せまいせかいでずっとゆめみてた)

狭い世界でずっと夢見てた

(ひげんじつにてをのばしながら)

非現実に手を伸ばしながら

(まだこいもよくわからないころ)

まだ恋もよくわからない頃

(ちいさなはこからあふれてる)

小さな箱から溢れてる

(おとをひろいあつめだした)

音を拾い集めだした

(またすくない)

また　少ない

(おこづかいへらしながら)

おこづかい減らしながら

(がっこうやすんで)

学校休んで

(こっそりきいた)

こっそり聴いた

(ろっくんろーるが)

ロックンロールが

(みにくいばけものになって)

醜い化け物になって

(おさないしんぞうをつらぬいて)

幼い心臓を貫いて

(ゆうやみのへやぶっこわした)

夕闇の部屋　ぶっ壊した

(きらきらとひかるえんばんのそとに)

きらきらと光る　円盤の外に

(うまれてきた)

生まれてきた

(おとのかいぶつのおもいで)

音のカイブツの思い出

(かちかんがゆっくりかわっても)

価値観がゆっくり変わっても

(からだがおとなになっても)

身体が大人になっても

(あのひのかいぶつが)

あの日のカイブツが

(ずっとそばにいる)

ずっとそばにいる

(ありふれてるかしをながめてた)

ありふれてる歌詞を眺めてた

(いやほんでみみをふさぎながら)

イヤホンで耳をふさぎながら

(ささやかなよろこびかみしめて)

ささやかな喜び　噛みしめて

(てれびやらじおでながれていた)

テレビやラジオで流れていた

(ひっとそんぐが)

ヒットソングが

(しらないいきものになって)

知らない生き物になって

(かうかちのないみせもののように)

買う価値のない見世物のように

(おりのなかからそらをみていた)

檻の中から　空を見ていた

(くるくるとまわる)

くるくると回る

(えんばんのなかで)

円盤の中で

(いきをしてた)

息をしてた

(おとのかいぶつのおもいで)

音のカイブツの思い出

(であうたびにむねおどり)

出会う度に胸躍り

(てをとりあってわらいあい)

手を取り合って笑いあい

(わかれのきせつからめをそむけてる)

別れの季節から　目を背けてる

(にんきやめいせいのためのおと)

人気や名声のための音

(ふもうにあらそうだけのおと)

不毛に争うだけの音

(たくさんのざつおんをめぐりみつけた)

沢山の雑音を巡り　見つけた

(こころをゆさぶるまほうみたいなおと)

心を揺さぶる　魔法みたいな音

(きれいごとにときめいて)

きれいごとに　ときめいて

(ぜつぼうのたびにまたおとがとぎれて)

絶望のたびに　また音が途切れて

(きらきらとひかるえんばんのそとに)

きらきらと光る　円盤の外に

(うまれてきた)

生まれてきた

(おとのかいぶつのおもいで)

音のカイブツの思い出

(かちかんがゆっくりかわっても)

価値観がゆっくり変わっても

(からだがおとなになっても)

身体が大人になっても

(あのひのかいぶつがきえない)

あの日のカイブツが消えない

(すききらいをよりわけて)

好き嫌いを選り分けて

(そだてながら)

育てながら

(あきるひまもなく)

飽きる暇もなく

(さがしていためろでぃー)

探していたメロディー

(あのひのかいぶつが)

あの日のカイブツが

(ずっとそばにいるから)

ずっとそばにいるから

(いまでもだいすきなきみのかげをさがしてる)

今でも　大好きな君の影を探してる