あたいの夏休み　中島みゆき

(たんぱんをはいたつけやきばれでぃたちが)

短パンを穿いた付け焼刃レディたちが

(うでをくんでちんぴらにぶらさがってあるく)

腕を組んでチンピラにぶらさがって歩く

(ここはべっそうちさかりばじゃないのよと)

ここは別荘地　盛り場じゃないのよと

(れーすのかーてんのかげささやくこえ)

レースのカーテンの陰　囁く声

(おかねためてみっかとまるのがなつやすみ)

お金貯めて3日泊まるのが夏休み

(しゅうかんしよんでやってくればじゅずつなぎ)

週刊誌読んでやって来れば数珠つなぎ

(さめたすーぷほうりなげるようにのまされて)

冷めたスープ放り投げるように飲まされて

(にだんべっどでもあたいのなつやすみ)

二段ベッドでも　あたいの夏休み

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎあたいのために)

Summer vacation　あたいのために

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎなつひるがえれ)

Summer vacation　夏　翻れ

(しんぶんにのるほどわるいこともなく)

新聞に載るほど悪いこともなく

(しょうじょうをもらうほどえらいこともなく)

賞状を貰うほど偉いこともなく

(そしてゆっくりといちねんはすぎてゆく)

そしてゆっくりと一年は過ぎてゆく

(やっとみっかもらえるのがなつやすみ)

やっと3日貰えるのが夏休み

(きひんしつのどあはきんもじのｖｉｐ)

貴賓室のドアは金文字のV.I.P.

(のぞきこんでつまみだされてるなつやすみ)

覗きこんでつまみ出されてる夏休み

(あたいだってまちじゃ)

あたいだって町じゃ

(すてたもんじゃないのよと)

捨てたもんじゃないのよと

(なれたさけをのんでようじっぱひとからげ)

慣れた酒を飲んで酔う十把ひとからげ

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎあたいのために)

Summer vacation　あたいのために

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎなつひるがえれ)

Summer vacation　夏　翻れ

(だけどあたいちょっとこのなつはちがうのよね)

だけどあたいちょっとこの夏は違うのよね

(ゆうべかったみやげものやのこーすたー)

昨夜買った土産物屋のコースター

(やすものだけどじぶんようじゃないもんね)

安物だけど自分用じゃないもんね

(ちょっとわけありでことしのなつやすみ)

ちょっとわけありで今年の夏休み

(かなしいのはどれすがふるくなること)

悲しいのはドレスが古くなること

(かなしいのはかれーばかりつづくこと)

悲しいのはカレーばかり続くこと

(だけどもっとかなしいことはひとりなき)

だけどもっと悲しい事は一人泣き

(だからあたいきっとかってるなつやすみ)

だからあたい　きっと勝ってる夏休み

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎあたいのために)

Summer vacation　あたいのために

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎなつひるがえれ)

Summer vacation　夏　翻れ

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎあたいのために)

Summer vacation　あたいのために

(ｓｕｍｍｅｒｖａｃａｔｉｏｎなつひるがえれ)

Summer vacation　夏　翻れ