芥川龍之介の河童

問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(ありしひのきおくはゆがんだことばになり)
在りし日の記憶は 歪んだ言葉になり
(へいこうせんのまますれちがったにちじょう)
平行線のまま すれ違った日常
(ときにきざまれたかくせいのあめが)
時に 刻まれた 隔世の雨が
(みちをふさいでもなにひとつかわらない)
道を 塞いでも 何一つ変わらない
(みあげたほしぞらとおいひのゆめ)
見上げた星空 遠い日の夢
(ながめつづけてもとどかず)
眺め続けても 届かず
(なくしたかこでもどこかにあるはずだから)
失くした過去でも どこかにあるはずだから
(ただまちつづける)
ただ待ち続ける
(にじみでるひかりはみなぞこてらしていて)
滲み出る光は 水底照らしていて
(それにふれていてもかんぜんではなかったと)
それに触れていても 完全ではなかったと
(ときにきざまれたせいじつなおとは)
時に 刻まれた 誠実な音は
(いみをなくしてもなにひとつかわらない)
意味を なくしても 何一つ変わらない
(うんめいはしんこうときょうぐうとぐうぜん)
運命は信仰と境遇と偶然
(あしたのえだははわからず)
明日の枝葉は 分からず
(のぞんだせかいはくうそうではなかったと)
望んだ世界は空想ではなかったと
(げんそうにたたずむ)
幻想に佇む
(ときにきざまれたかくせいのあめが)
時に 刻まれた 隔世の雨が
(みちをふさいでもなにひとつかわらない)
道を 塞いでも 何一つ変わらない
(みあげたほしぞらとおいひのゆめ)
見上げた星空 遠い日の夢
(ながめつづけてもとどかず)
眺め続けても 届かず
など
(なくしたかこでもどこかにあるはずだから)
失くした過去でも どこかにあるはずだから
(ただまちつづける)
ただ待ち続ける