吐きたくなるほど愛されたい

(さびしいとかもう)

寂しいとかもう

(かなしいとかもう)

悲しいとかもう

(なきたいとかもう)

泣きたいとかもう

(あきあきしたんだ)

飽き飽きしたんだ

(あいされたくて)

愛されたくて

(こんやももがいておぼれて)

今夜ももがいて溺れて

(にえきれずにだまってる)

煮え切れずに黙ってる

(くるしいことぜんぶくしゃくしゃにまるめて)

苦しいこと全部くしゃくしゃに丸めて

(まよなかのすみにこっそりなげた)

真夜中の隅にこっそり投げた

(つぎのひのあさになってにばいでかえってきた)

次の日の朝になって二倍で返ってきた

(ああもうなみだもでない)

ああもう涙も出ない

(すてるもんなんかもうない)

捨てるもんなんかもうない

(ほしいもんなんかもうない)

欲しいもんなんかもうない

(たしかなものはない)

確かなものはない

(たしかめられない)

確かめられない

(どこへもいけなかったじぶんのまわりばっか)

どこへも行けなかった自分の周りばっか

(ぐるぐるまわってまだここにいる)

ぐるぐる回ってまだここにいる

(あいされたくて)

愛されたくて

(こんやももがいておぼれて)

今夜ももがいて溺れて

(にえきれずにだまってる)

煮え切れずに黙ってる

(しにきれずにわらってる)

死にきれずに笑ってる

(こんやも)

今夜も

(てをすこしだけきってうすあかいちをなめた)

手を少しだけ切って薄赤い血をなめた

(ばかばかしくてもうふをかぶった)

ばかばかしくて毛布をかぶった

(まようほどみちはなくてえらぶほどよゆうなくて)

迷うほど道はなくて選ぶほど余裕なくて

(おわるほどゆうきなくてまだここにいる)

終わるほど勇気なくてまだここにいる

(くもりぞらのむこうではなつのあらしがまっている)

くもりぞらの向こうでは夏の嵐が待っている

(いろがぬけおちてゆくおとがきえさってゆく)

色が抜け落ちてゆく音が消え去ってゆく

(においがふきとんでゆく)

匂いが吹き飛んでゆく

(ぜんぶさらわれてゆけ)

全部さらわれてゆけ

(ばいばい)

バイバイ

(あいされたくて)

愛されたくて

(こんやももがいておぼれて)

今夜ももがいて溺れて

(しにきれずにわらってる)

死にきれずに笑ってる

(あいされたくて)

愛されたくて

(おわりのないものなんてなんにもなくて)

終わりのないものなんて何にもなくて

(ふりだしにさえもどれない)

ふりだしにさえ戻れない

(どこへもいけない)

どこへも行けない

(かえるばしょなんてもうない)

帰る場所なんてもうない

(のりおくれてのりすごして)

乗り遅れて乗り過ごして

(みうしなってどうどうめぐって)

見失って堂々巡って

(はんけい３０せんちのせかいのなかで)

半径30センチの世界の中で

(まんしんそういでかたむいて)

満身創痍で傾いて

(はんけい１５せんちのせかいのなかで)

半径15センチの世界の中で

(なんだかもうつかれた)

なんだかもう疲れた

(ほんのいっしゅんのゆめだったんだ)

ほんの一瞬の夢だったんだ

(ほんのいっしゅんのはなだったんだ)

ほんの一瞬の花だったんだ

(すかいだいびんぐ)

スカイダイビング

(じめんにつくまであとなんびょう)

地面につくまであと何秒

(なにができる)

何ができる

(なにがしたい)

何がしたい

(なにがみえる)

何が見える

(なにがみたい)

何が見たい

(なにもみえない)

何も見えない

(なにもない)

何もない

(もうなにもない)

もう何もない

(ああもうこのままずっと)

ああもうこのままずっと

(しぬまでずっと)

死ぬまでずっと

(なみだなんかながれない)

涙なんか流れない

(なみだなんかながせない)

涙なんか流せない

(なみだなんかながれない)

涙なんか流れない