雪恋

(なんとなくわかってたんだ)

何となくわかってたんだ

(このばしょにずっとはいられないこと)

この場所にずっとはいられないこと

(ためいきでみあげたそらひとひらのゆき)

ため息で見上げた空　ひとひらの雪

(ふゆのにおいがした)

冬の匂いがした

(まちはにぎやかにきらめく)

街は賑やかにきらめく

(ぼくはきおくのなかのきみのえがおさがした)

僕は記憶の中の君の笑顔さがした

(だれよりきみのことわかったつもりで)

誰より君のこと　わかったつもりで

(あたりまえにそばにいるとおもっていた)

当たり前にそばに居ると思っていた

(ぼくのむねにささったやはぬけぬまま)

僕の胸に刺さった矢は抜けぬまま

(いたみのこしさめぬねつをかんじているいまでも)

痛み残し　冷めぬ熱を感じている　今でも

(ずっとわすれられないんだ)

ずっと忘れられないんだ

(きみのこえつないだてのぬくもりも)

君の声　繋いだ手の温もりも

(まつげにつもるけっしょう)

睫毛に積もる結晶

(なみだすらながすこともできない)

涙すら流すことも出来ない

(いつもとおなじかえりみち)

いつもと同じ帰り道

(ふたりならぶはずだったあしあとはひとつだけ)

二人並ぶはずだった　足跡は一つだけ

(だれよりきみのことただいとしかった)

誰より君のこと　ただ愛しかった

(あたりまえにおなじきもちとおもっていた)

当たり前に同じ気持ちと思っていた

(うめられないこどくはいきばをなくして)

埋められない孤独は行き場を無くして

(ただひたすらぼくのこころむしばんでいく)

ただひたすら　僕の心蝕んでいく

(しずかに)

静かに

(ふりつもるおもいはこのゆきにまぎれ)

降り積もる想いは　この雪に紛れ

(やがてとけていっそすべてきえればいい)

やがて溶けて　いっそすべて消えればいい

(いつかいつのひかあるきでせるかな)

いつか　いつの日か　歩き出せるかな

(きえてくれないきみのねつをぼくのむねにのこして)

消えてくれない　君の熱を僕の胸に　残して