逃避行

(ゆれるれっしゃのまどからふたつのめがのぞいた)

搖れる列車の窓からふたつの目が覗いた

(みつめあったのはきてんとしゅうてんのふたり)

見つめあったのは起点と終点の二人

(めざすしゅうちゃくえきにはなにがみえているのか)

目指す終着駅には何が見えているのか

(あふれかえるたーみなるにむかってきみははしっていた)

溢れ返るターミナルに向かって君は走っていた

(たちどまったきみをずっとまっているのに)

立ち止まった君をずっと待っているのに

(からみあったてをつかんではさつれさってしまったんだ)

絡み合った手を掴んではさ連れさってしまったんだ

(きみとばっくれたいのさ)

君とばっくれたいのさ

(このままばっくれたいのさ)

このままばっくれたいのさ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このまませいかいふせいかいかっさらって)

このまま正解不正解掻っ攫って

(さぁとびだしてだれもしらないまだみぬまちへ)

さぁ飛び出して誰も知らないまだ見ぬ街へ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このままげんざいかこみらいかっさらって)

このまま現在過去未来掻っ攫って

(たどるぜんれいのなかにはだれがみえているのか)

辿る前例の中には誰が見えているのか

(わかちあったのはじぶんのあんしんのくせに)

分かち合ったのは自分の安心のくせに

(とてもぶんがくてきにはなりきれないぼくでも)

とても文学的にはなり切れない僕でも

(おもいあたるきもちをうらぎれますか)

思い当たる気持ちを裏切れますか

(きみとばっくれたいのさ)

君とばっくれたいのさ

(このままばっくれたいのさ)

このままばっくれたいのさ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このままきどあいらくでさえかっさらって)

このまま喜怒哀楽でさえ掻っ攫って

(さぁとびだしてだれもしらないまだみぬまちへ)

さぁ飛び出して誰も知らないまだ見ぬ街へ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このまままだみぬまちへ)

このまままだ見ぬ街へ

(ゆびをおってきみをずっとまっているから)

指を折って君をずっと待っているから

(きみはどうだぼくはきっと)

君はどうだ僕はきっと

(きみのしらないまちにおまねきするんだ)

君の知らない街にお招きするんだ

(だからばっくれたいのさ)

だからばっくれたいのさ

(たいくつをしらばっくれたいのさ)

退屈をしらばっくれたいのさ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このまませいかいふせいかいかっさらって)

このまま正解不正解掻っ攫って

(さぁぬけだしてだれもしらないひみつのさきへ)

さぁ抜け出して誰も知らない秘密の先へ

(ばっくれたいのさ)

ばっくれたいのさ

(このまままだみぬまちへ)

このまままだ見ぬ街へ

(はじまったはじまったはじまってしまったんだ)

始まった始まった始まってしまったんだ

(まだみぬまちへ)

まだ見ぬ街へ

(きみととうひこう)

君と逃避行