泣いてる獣

(いつもじゃれあうように)

いつも戯れあうように

(わらいながらすごすけど)

笑いながら過ごすけど

(きみがふれるあたしは)

君が触れるあたしは

(ながくみにくいきばをもってる)

長く醜い牙を持ってる

(くちをつぐむようにかくした)

口を噤むように隠した

(はきだしたくなるおもいほど)

吐き出したくなる想いほど

(そのうでがそのぬくもりがここから)

その腕が　そのぬくもりが此処から

(きえてしまうきがして)

消えてしまう気がして

(あまいあまいはなのかおりあびて)

甘い　甘い　花の香り浴びて

(たちこめるようなあいをうたおう)

たちこめるような愛を謳おう

(きみがわらうそのうつくしさで)

君が笑う　その美しさで

(あたしはこきゅうができる)

あたしは呼吸が出来る

(きみがひろいあげた)

君が拾い上げた

(がらくたをからかうと)

ガラクタをからかうと

(きみはほほをまるめて)

君は頬を丸めて

(たけるぼーるをかえしてくる)

猛るボールを返して来る

(ありふれたまいにちの)

ありふれた毎日の

(ありふれたしあわせのしじまが)

ありふれたしあわせの静寂が

(このうでにこのからだにしみこんで)

この腕に　この体に染み込んで

(いばらをつつんでく)

荊を包んでく

(あまいあまいはなのかおりあびて)

甘い　甘い　花の香り浴びて

(たちこめるようなあいをうたおう)

たちこめるような愛を謳おう

(きみがわらうそのうつくしさで)

君が笑う　その美しさで

(あたしはこきゅうができる)

あたしは呼吸が出来る

(かいならされてく)

飼い馴らされてく

(けものだとしてもいいの)

獣だとしてもいいの

(あまいあまいはなのかおりあびて)

甘い　甘い　花の香り浴びて

(たちこめるようなあいをうたおう)

たちこめるような愛を謳おう

(きみがわらうやわらかなひかりを)

君が笑う　柔らかな光を

(うつしえのようにてらしあわせて)

写し絵のように　照らし合わせて

(まだうずいてしまう)

まだ疼いてしまう

(このいばらをだいて)

この荊を抱いて

(あたしはこきゅうをしてる)

あたしは呼吸をしてる

(やさしいこきゅうをしてる)

やさしい呼吸をしてる