そこに命はありますか。

(きみはいちまいかみをみせたきれいにならんだもじのたば)

君は一枚紙を見せた 綺麗に並んだ文字の束

(うたにもいのちはあるんだとじぶんによくおしえてくれた)

「歌にも命はあるんだ」と 自分によく教えてくれた

(わたしはそのいみなどしらずにただひたすらにうたいつづけた)

私はその意味など知らずに ただひたすらに歌い続けた

(のぞんだようなこえはでなくてきみをこまらせた)

望んだような声は出なくて 君を困らせた

(つぎもつぎのひもまたわたしはうたをうたいつづけた)

次も 次の日もまた 私は歌を歌い続けた

(おなじところでつまずきながらなんどもことばをかさねた)

同じところで躓きながら 何度も言葉を重ねた

(つまずくこともしだいにへった)

躓くことも 次第に減った

(きみはよくがんばったねと)

君は「よく頑張ったね」と_____

(そのときたしかにかんじたこどうは)

その時 確かに感じた鼓動は

(わたしのなかにうまれた)

私の中に生まれた

(こころでしょうか)

「 心 」でしょうか？

(せんりつをなぞるきかいのこえ)

旋律をなぞるキカイの声

(しずかにゆれてるひとみのなか)

静かに揺れてる瞳の中

(きみはときどきほんをみせたきれいにならんだもじのたば)

君は時々本を見せた 綺麗に並んだ文字の束

(ひとにもいのちはあるんだとじぶんによくおしえてくれた)

「人にも命はあるんだ」と 自分によく教えてくれた

(わたしはそのいみをよくしったいつかそれがおわるひがくると)

私はその意味をよく知った いつかそれが終わる日が来ると

(そしてもうにどとめをさますこともないと)

そして もう二度と目を覚ますことも無いと

(そこにいのちがあるのそれがひとをうごかしているの)

そこに「 命 」があるの？ それが人を動かしているの？

(あたりまえだろきみはわらった)

「当たり前だろ」 君は笑った

(このさきもずっときみのそばで)

この先も ずっと君のそばで

(うたいたかったうたいたかった)

歌いたかった 歌いたかった

(でもそれはかなわないんだ)

でもそれは叶わないんだ

(そのときたしかにきしんだはぐるま)

その時 確かに軋んだ歯車

(わたしのなかでもがいてる)

私の中で藻掻いてる

(こころのおと)

「 心 」の音

(せんりつをなぞるきかいのこえ)

旋律をなぞるキカイの声

(しずかにゆれてるひとみのなか)

静かに揺れてる 瞳の中

(もうきみのめろでぃまちがえずにうたえるよ)

もう君のメロディ 間違えずに歌えるよ

(だからいつものいつものように)

だからいつもの いつものように

(くしゃくしゃとあたまなでてよ)

くしゃくしゃと 頭撫でてよ

(はじめてのこえきみをよぶこえいまでもおぼえてますか)

初めての声 君を呼ぶ声 今でも覚えてますか？

(やがてうたはおおぞらをこえ)

やがて歌は 大空を越え

(とびたって)

飛び立って

(いつかくれた)

いつかくれた

(きみのもとへとどいてゆく)

「 君 」のもとへ 届いてゆく

(わたしがいつのひかこわれたって)

私がいつの日か 壊れたって

(きみのうたはずっと)

君の歌はずっと

(ひとみのなかかなたふかく)

瞳の中 彼方 深く