注文の多い料理店

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投稿者投稿者sorashidoいいね1お気に入り登録
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問題文

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(ふたりはげんかんにたちました。)

二人は玄関に立ちました。

(げんかんはしろいせとのれんがでくんで、じつにりっぱなもんです。)

玄関は白い瀬戸の煉瓦で組んで、実に立派なもんです。

(そしてがらすのひらきどがたって、そこにきんもじでこうかいてありました。)

そして硝子の開き戸がたって、そこに金文字でこう書いてありました。

(「どなたもどうかおはいりください。けっしてごえんりょはありません」)

「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」

(ふたりはそこで、ひどくよろこんでいいました。)

二人はそこで、ひどくよろこんで言いました。

(「こいつはどうだ、やっぱりよのなかはうまくできてるねえ、)

「こいつはどうだ、やっぱり世の中はうまくできてるねえ、

(きょういちにちなんぎしたけれど、こんどはこんないいこともある。)

きょう一日なんぎしたけれど、こんどはこんないいこともある。

(このうちはりょうりてんだけれどもただでごちそうするんだぜ。」)

このうちは料理店だけれどもただでご馳走するんだぜ。」

(「どうもそうらしい。けっしてごえんりょはありませんというのはそのいみだ。」)

「どうもそうらしい。決してご遠慮はありませんというのはその意味だ。」

(ふたりはとをおして、なかへはいりました。そこはすぐろうかになっていました。)

二人は戸を押して、なかへ入りました。そこはすぐ廊下になっていました。

(そのがらすどのうらがわには、きんもじでこうなっていました。)

その硝子戸の裏側には、金文字でこうなっていました。

(「ことにふとったおかたやわかいおかたは、だいかんげいいたします」)

「ことに肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします」

(ふたりはだいかんげいというので、もうおおよろこびです。)

二人は大歓迎というので、もう大よろこびです。

(「きみ、ぼくらはだいかんげいにあたっているのだ。」)

「君、ぼくらは大歓迎にあたっているのだ。」

(「ぼくらはりょうほうかねてるから」)

「ぼくらは両方兼ねてるから」

(ずんずんろうかをすすんでいきますと、こんどはみずいろのぺんきぬりのとびらがありました。)

ずんずん廊下を進んで行きますと今度は水いろのペンキ塗りの扉がありました。