ラテラリティ

(なげくこえはかすみおきざりに)

嘆く声は霞み　置き去りに

(きみはきみだけのくにをつくってる)

君は君だけの国を創ってる

(ねえおしえて)

ねえ教えて

(はんぶんのせかいはどんないろで)

半分の世界はどんな色で

(どんなにおいがしているの)

どんな匂いがしているの

(だれにもみえないぱれっとえのぐかさねて)

誰にも見えないパレット　絵の具重ねて

(きみはことばさえぬりかえてわらっている)

君は言葉さえ塗りかえて笑っている

(どうして)

どうして

(そばにいてもこころのはしですらよみとれない)

そばにいても心の端ですら読み取れない

(こんなにのぞんでてもおなじきもちになれないなら)

こんなに望んでても　同じ気持ちになれないなら

(はやくかたほうをうばって)

早く片方を奪って

(けむたがるむらがりとおまきに)

「煙たがる群がり　遠巻きに

(ぼくはぼくだけのくにににげこんだ)

僕は僕だけの国に逃げ込んだ

(そらにしたるこころのねあまつぶをすべてはみ)

空に垂る心の根　雨粒を全て食み

(とうめいなはなをそだてる)

透明な花を育てる

(だれにもみえないぐうぜんずっとかさねて)

誰にも見えない偶然　ずっと重ねて

(ひとはそんなのをきせきだとなづけたから)

人はそんなのを奇跡だと名付けたから

(のこしたひめいをとじこめるはこをひらくゆうきもない)

残した悲鳴を閉じ込める箱を　開く勇気も無い

(このままちゅうにとけてやさしいつながりにすがりたい)

このまま宙に溶けて　優しい繋がりに縋りたい」

(いっしゅんのうそをかくしきったまま)

一瞬の嘘を隠し切ったまま

(きみはきみをそこにしずめた)

君は君を底に沈めた

(つづくみぎだけのしかい)

続く右だけの視界

(えいえんのかいろうをあるきだす)

永遠の廻廊を歩き出す

(おわりのないにぎやかなきおくのぱれーど)

終わりのない賑やかな記憶のパレード

(あこがれあわれみあざけりがまざっている)

憧れ哀れみ嘲りが混ざっている

(どうして)

どうして

(わかれみちがうまれるよりもっとまえなんて)

分かれ道が生まれるよりもっと前なんて

(かみさま)

神様

(きづかせないで)

気づかせないで

(おなじきもちになれないでしょう)

同じ気持ちになれないでしょう

(そばにいたい)

そばにいたい

(ふかくからむしりょをつみとって)

深く絡む思慮を摘み取って

(こんなにねがってても)

こんなに願ってても

(おなじせかいがみえないなら)

同じ世界が見えないなら

(きみのはんぶんになりたい)

君の半分になりたい