【JPN】Pro 1(1) - 01

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投稿者投稿者Yuzuいいね0お気に入り登録
プレイ回数40難易度(3.3) 1802打 長文

問題文

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(よが、あくるまで。) よが、あくるまで。 (かいじんがよるともうせばよるとなり、) 怪人が夜と申せば夜となり、 (あさともうせばあさになる。) 朝と申せば朝になる。 (するとそこはもとのにほんではなく、) するとそこはもとの日本ではなく、 (しかれどもいこくでもない。) しかれども異国でもない。 (かいじんによってじかんがいねんをしはいされた) 怪人によって時間概念を支配された (いわばげんそうせかいなのである。) いわば幻想世界なのである。 (このものがたりはうきよに) この物語は浮き世に (ばくぜんとしたふあんをいだく「わたし」が) 漠然とした不安を抱く「私」が (こうきでりょうきてきなかいじんによって) 好奇で猟奇的な怪人によって (かんきんされるところからはじまる。) 監禁されるところから始まる。 (ほんもののしにがみをめのまえにして、) 本物の死に神を目の前にして、 (ついに「わたし」がせいにすがりついていく) ついに「私」が生にすがりついていく (あさましくもうつくしいきたんなのである。) 浅ましくも美しい奇譚なのである。 (・・・・・・なの、であるが。) ……なの、であるが。 (さいごのいちまいをめくりおえたかれは、) 最後の一枚をめくり終えた彼は、 (むきだしになったつくえをなかゆびでたたく。) むき出しになった机を中指で叩く。 (なにかさいそくするような、なにかさがすような。) 何か催促するような、何か探すような。 (こきみよいちくおんきのせんりつをみだしている。) 小気味良い蓄音機の旋律を乱している。 (いずれにせよ、) いずれにせよ、
など
(そのどうさにあきれがみてとれる。) その動作に呆れが見て取れる。 (「なにこれ?」) 「なにこれ?」 (「な、なにこれって、」) 「な、なにこれって、」 (なにこれって。) なにこれって。 (くちにだしておきながら、) 口に出しておきながら、 (こころともなくはんぷくしてしまう。) 心ともなく反復してしまう。 (・・・うーむ。) …うーむ。 (しょうさんぜっさんのこえをきたいしていたものの、) 賞賛絶賛の声を期待していたものの、 (なんだかおもっていたはんのうとちがう。) なんだか思っていた反応と違う。 (もしやわたしはことなるげんこうをわたしてしまったのだろうか。) もしや私は異なる原稿を渡してしまったのだろうか。 (まさかとおもいのぞきこむが、) まさかと思いのぞき込むが、 (なんどみなおしてもやはりわたしがしっぴつした) 何度見直してもやはり私が執筆した (「ちかしつのかいじん」がそこにあった。) 「地下室の怪人」がそこにあった。 (「はなしはこれでおわりなの?」) 「話はこれで終わりなの?」 (「あぁ、いや。つづきはあすだ」) 「あぁ、いや。続きは明日だ」 (「あしたって・・・・・・。・・・あぁそう。) 「明日って……。…あぁそう。 (きみはふかんぜんなものをみせたってわけか」) 君は不完全なものを見せたって訳か」 (「ふかんぜんとはひどいいいぐさだ。) 「不完全とはひどい言い草だ。 (これはれんさいもののつもりであってだな・・・・・・」) これは連載物のつもりであってだな……」 (するとこらえていたしえんをふっとはきだすかわせ。) すると堪えていた紫煙をふっと吐き出す川瀬。 (かきわけたもやのさきで、) かき分けたモヤの先で、 (かれはいいしれぬえみをうかべてまっていた。) 彼は言いしれぬ笑みを浮かべて待っていた。 (「なにをわらっている・・・・・・。いやならかえせ、」) 「何を笑っている……。嫌なら返せ、」 (「いいや、いいたいことはまだあるんだ」) 「いいや、言いたいことはまだあるんだ」 (げんこうをひきよせ、いまいちどのぞきこむかわせ。) 原稿を引き寄せ、今一度のぞき込む川瀬。 (そしてなんどもなんどもいやらしく、) そして何度も何度もいやらしく、 (さいごのいちぎょうをこゆびでなぞった。) 最後の一行を小指でなぞった。 (よはいつあけるのでしょう) 夜ハイツ明ケルノデショウ (よがあくるまで) 余ガ飽クルマデ (「このだじゃれも、よくわからないし」) 「このだじゃれも、よくわからないし」 (「だじゃれではない!ことばあそびだ!」) 「だじゃれではない!言葉遊びだ!」 (「ことばあそびねぇ・・・・・・おっとしつれい」) 「言葉遊びねぇ……おっと失礼」 (「がっ!」) 「がっ!」 (ししおどしのごとくはねたたばこが、) 鹿威しの如く跳ねた煙草が、 (ぱらぱらとげんこうにはいをちらす。) ぱらぱらと原稿に灰を散らす。 (それでもかれはあきたらず、) それでも彼は飽き足らず、 (わたしのげんこうでひをもみけした。) 私の原稿で火をもみ消した。 (ひはいくまいもげんこうをかんつうし、) 火は幾枚も原稿を貫通し、 (ぷすりとさいごにおとをとめる。) ぷすりと最後に音を止める。 (とっさにげんこうようしをかかえあげれば、) とっさに原稿用紙を抱え上げれば、 (かれはきょとんとくびをかしげた。) 彼はきょとんと首をかしげた。
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