魔道師二人旅～長壁と番人～

(あれたみちすすむふたりぐみのおんな)

荒れた道進む二人組の女

(うつくしきまどうしとそのまなでし)

美しき魔道師とその愛弟子

(まけんをもとめてにしからやってきた)

魔剣を求めて西からやってきた

(ああめのまえにはながいながいかべ)

ああ　目の前には長い長い壁

(あのかべをこえたならば)

あの壁を越えたならば

(もくてきちまであとすこし)

目的地まであと少し

(かべへとちかづくふたりぐみのおんな)

壁へと近づく二人組の女

(そこにたちふさがるひとりのおとこ)

そこに立ちふさがる一人の男

(いこくのものどもよたちさるがいい)

異国の者どもよ立ち去るがいい

(おれはいだいなおうからこうめいじられてる)

俺は偉大な王からこう命じられてる

(わがくにのたみいがいは)

「我が国の民以外は」

(だれもここをとおすなと)

「誰もここを通すな」と

(かべからはなれたふたりぐみのおんな)

壁から離れた二人組の女

(かみをくろくぬるおとことおなじいろ)

髪を黒く塗る男と同じ色

(くにのたみをよそおいすすもうとするが)

国の民を装い進もうとするが

(おとこはふたたびくびをよこにふる)

男は再び首を横に振る

(わがくにのたみのはだは)

「我が国の民の肌は」

(そんなきみょうにしろくない)

「そんな奇妙に白くない」

(かべからはなれたふたりぐみのおんな)

壁から離れた二人組の女

(かおにどろをぬるおとことおなじはだ)

顔に泥を塗る男と同じ肌

(こんどこそはとすすもうとするが)

今度こそはと進もうとするが

(おとこはまたもやくびをよこにふる)

男はまたもや首を横に振る

(わがくにのたみのひとみは)

「我が国の民の瞳は」

(そんなぶきみないろじゃない)

「そんな不気味な色じゃない」

(わるくおもうなたびびとよ)

悪く思うな旅人よ

(いだいでこうだいなわがくにをまもるためには)

偉大で広大な我が国を守るためには

(このかべとおれのようなばんにんがひつようなのだ)

この壁と俺のような番人が必要なのだ

(ごうをにやしたまどうしのおんな)

業を煮やした魔道師の女

(かぜをまきおこしおとこをふきとばす)

風を巻き起こし男を吹き飛ばす

(かべのとびらあけさきにすすむと)

壁の扉開け先に進むと

(そこにはなにもないなにもなかった)

そこには何もない何もなかった

(あのばんにんがまもってたのは)

あの番人が守ってたのは

(いったいなんだったのだろう)

一体なんだったのだろう？

(あれたみちすすむふたりぐみのおんな)

荒れた道進む二人組の女

(うつくしきまどうしとそのまなでし)

美しき魔道師とその愛弟子

(まけんをもとめてひがしへとすすむ)

魔剣を求めて東へと進む

(ああめのまえにはひろいひろいうみ)

ああ　目の前には広い広い海