光を投げれば 小林私

(はなせないことやいえないことじょうずにかくしてかくしても)

話せないことや言えないこと　上手に隠して隠しても

(あふれてにじみだしてできたしみがきえないおちない)

溢れて滲み出して出来た染みが消えない落ちない

(とうのむかしによみおえたしょうせつのどくごかんみたく)

とうの昔に読み終えた小説の読後感みたく

(とてもじゃないがかかえきれないほどのたとえばゆううつ)

とてもじゃないが抱えきれない程の、例えば憂鬱

(じょうできなじんせいだとおもえばおもうほどこうかいすらわすれてくわすれてく)

上出来な人生だと思えば思うほど後悔すら忘れてく忘れてく

(ぱられるわーるどのきみもそうぞうだにしないしない)

パラレルワールドの君も想像だにしないしない

(ひがいしゃづらしてきょうもいきていくんだねあなたは)

被害者面して今日も生きていくんだね貴方は

(かるいじょうだんをまじえてあなたがすきだといってみることの)

軽い冗談を交えて貴方が好きだと言ってみることの

(ぼうりょくせいをひていできずにいるからどうもおちつかない)

暴力性を否定出来ずにいるからどうも落ち着かない

(とーんはぱすてるであわくもそのおくにびびっどなれつじょう)

トーンはパステルで淡くもその奥にビビッドな劣情

(とてもじゃないがかかえきれないほどのたとえばこいごころ)

とてもじゃないが抱えきれない程の、例えば恋心

(しょうたいはひんせいのかけらもないけものだときづけばきづくほど)

正体は品性の欠片もない獣だと気付けば気付く程

(はきそうになるはきそうになるまちがいさがしのまつろがこれか)

吐きそうになる吐きそうになる間違い探しの末路がこれか

(みじめなかおしてやんなっちゃうね)

みじめな顔してやんなっちゃうね

(こんなかがみすらわれずにいるあなたにいうことなんてないが)

こんな鏡すら割れずにいる貴方に言うことなんてないが

(だれだってゆるされたいからああぼくはあなただけでも)

誰だって許されたいから、ああ僕は貴方だけでも

(じょうできなじんせいだとおもえばおもうほどこうかいすらわすれてくわすれてく)

上出来な人生だと思えば思うほど後悔すら忘れてく忘れてく

(ぱられるわーるどのきみもそうぞうだにしないしない)

パラレルワールドの君も想像だにしないしない

(ひがいしゃづらしてきょうもいきていくんだねあなたの)

被害者面して今日も生きていくんだね貴方の

(しょうたいはひんせいのかけらもないけものだときづけばきづくほど)

正体は品性の欠片もない獣だと気付けば気付く程

(はきそうになるはきそうになるまちがいひとつもみつからないや)

吐きそうになる吐きそうになる間違い一つも見つからないや

(みじめなかおしてためいきばかりはいてる)

みじめな顔して溜め息ばかり吐いてる

(なげかえされたひかりにまだましだっていいきかせる)

投げ返された光にまだマシだって言い聞かせる