mother

(とべなさをうるぺんぎんはくらす)

飛べなさを売るペンギンは暮らす

(そらがみたくてきみはたんまつ)

空が見たくて　きみは端末

(にどときけないちちのくちぐせのｍｐ３をいほうでおとす)

二度と聞けない父の口癖のmp3を違法で落とす

(こたえて)

答えて

(じゆうけんきゅうにつかうものをかいにいかなきゃいけなくて)

自由研究に使うものを買いに行かなきゃいけなくて

(ほーむせんたーにいったの)

ホームセンターに行ったの

(もうこうがくねんだったからひとりでね)

もう高学年だったから一人でね

(かえりみちにしらないおばさんにこえをかけられて)

帰り道に知らないおばさんに声をかけられて

(そのひとはあるくのがへただったくらすめいとのこのおかあさんだったわ)

その人は歩くのが下手だったクラスメイトの子のお母さんだったわ

(どうしてわたしをおぼえているのかわたしはわからなかったけど)

どうして私を覚えているのか私はわからなかったけど

(そのとき)

そのとき

(おばさんのうしろにあるくもがちょうどたいようをさえぎって)

おばさんの後ろにある雲がちょうど太陽を遮って

(すこしすずしかったことをおもいだしたわ)

少し涼しかったことを思い出したわ

(とべなさをうるぺんぎんはくらす)

飛べなさを売るペンギンは暮らす

(そらがみたくてきみはたんまつ)

空が見たくて　きみは端末

(にどときけないちちのくちぐせのｍｐ３をいほうでおとす)

二度と聞けない父の口癖のmp3を違法で落とす

(さいせいがおいつかないもうこう)

再生が追いつかない猛攻

(けやぶられるのすべてがひざし)

蹴破られるの　全てが日差し

(きみがしってほしくなかったこともう)

きみが知ってほしくなかったこともう

(しっているから)

知っているから

(じどうどあがとじていくにつれて)

自動ドアが閉じていくにつれて

(ろけっとのはっしゃおんもちいさくきこえたわ)

ロケットの発射音も小さく聞こえたわ

(そこでなにかのみものをかって)

そこで何か飲み物を買って

(そとにでたときにはしずかになっていたわ)

外に出たときには静かになっていたわ

(せんしゅうひさしぶりにあったあのこはきょうのびんだったかしら)

先週久しぶりに会ったあの子は今日の便だったかしら

(おたがいはなしたことはなかったけど)

お互い話したことはなかったけど

(こんなときただすれちがっておわかれなんてのもきがひけたのよね)

こんなときただすれ違ってお別れなんてのも気が引けたのよね

(ぜんぜんかわらないねなんていわれたけど)

全然変わらないねなんて言われたけど

(わたしってそうかしら？)

私ってそうかしら？

(むかしからくらすめいとにかんしんのなさそうなこだったから)

昔からクラスメイトに関心のなさそうな子だったから

(たぶんわたしのことをあんまりおぼえてなくててきとうにいったんだとおもうわ)

たぶん私のことをあんまり覚えてなくて適当に言ったんだと思うわ

(でもそういわれてなんとなくあんしんしたの)

でもそう言われてなんとなく安心したの

(それで)

それで

(ぱそこんをつけっぱなしのいえにかえって)

パソコンをつけっぱなしの家に帰って

(わたしもにづくりをはじめたわ)

私も荷造りを始めたわ

(まりさがわーぷこうろにはいるまえにこれがとどくといいのだけど)

魔理沙がワープ航路に入る前にこれが届くといいのだけど

(こたえて)

答えて

(むりはしないで)

無理はしないで

(さわれないのもいまさらだよ)

触れないのもいまさらだよ

(ひさしぶりだね)

久しぶりだね

(かげｍｏｄいれてる？)

影mod入れてる？

(ぱたーんづくりのごっこあそびで)

パターン作りのごっこ遊びで

(ぼくらがうそをつくよりさきに)

僕らが嘘をつくより先に

(そらをみせたのきみはたんまつ)

空を見せたの　きみは端末